導入事例 - 株式会社ラクス様

【課題】
相次ぐ競合他社の参入により、マーケティング施策のROIが悪化。

「IT技術で中小企業を強くします!」を企業理念として、クラウドサービスとIT技術者派遣の2つの事業を展開する株式会社ラクス。問い合わせ管理や経費精算、電子帳票発行など日常の様々な業務を効率化する同社のサービスは、国内40,000以上の企業に利用されています。そんな同社の主力サービスの一つが、メール配信システム「配配メール」。中小企業でも手軽に利用できる価格体系と、ITシステムに馴染みのない利用者でも簡単に使える操作性が好評を博し、累計4,000社以上の導入実績を誇ります。

 

 

rakus-mail_case_haihai.jpg

※メール配信システム「配配メール」の製品サイト

 

 

同社では、新規の見込み顧客を獲得するために、リスティング広告に多額の予算を投じていましたが、相次ぐ競合他社の参入により広告単価が高騰。ROIの悪化に頭を悩ませていました。マーケティング担当の芹澤はずき氏(以下、芹澤氏)は当時の状況を以下のように振り返ります。

 

「新規のお客様を獲得するために、SEO対策やリスティング広告などのプロモーションに非常に予算をかけていました。その理由は、メール配信システムは国内でも非常に競合が多く、この手のシステムを導入する方たちは、検索エンジンで検索する人たちが多いためSEOとリスティングを行い続けていました。ただ、時間とともに徐々に広告単価が上がり、リスティング広告のCPA(見込み客獲得単価)が高騰し始めていました。そのため、新規見込み客の獲得はできていたものの、効率が徐々に悪くなり、広告に頼らない形で費用対効果の改善を行う方法を探していました。」

【対策】
インバウンドマーケティングを導入することで、営業案件を創出する仕組みを構築。

広告に頼らない新しいマーケティングの方法を模索していた同社では、代表取締役 中村崇則氏の推薦もあり、当時国内でも話題になりはじめていた「インバウンドマーケティング」に取り組むことを決定します。そして、2013年9月、インバウンドマーケティング&セールスソフトウェア「HubSpot(ハブスポット)」の導入に至りました。

 

導入にあたっては、芹澤氏を含めた担当者が、インバウンドマーケティングに関するブログ記事や書籍を読み込み、また関連イベントに参加するなど情報収集に努めたそうです。しかし、インバウンドマーケティングに関する情報を蓄積する一方で、実際にどのようにプロジェクトを進めていくべきか、具体的なイメージが掴めていなかった、と芹澤氏は話します。そこで、同社では、HubSpotの正規代理店である株式会社24-7の支援を受けることを選択します。

 

「情報を収集する中で、やはりインバウンドマーケティングを実践している企業さんに支援をしていただきたい、と感じました。今考えてみると、インバウンドマーケティングというものがどうして重要なのか、どういう思想なのか、ということを正しく伝えてもらうことがなければ、HubSpotというシステムを全然使えなかったと思います。思想とその背景や理由がわかったからこそ、なぜペルソナを作って、どのようにペルソナに役立つコンテンツを作って、トラフィックを集めて、見込み客を獲得して育成までつなげていくのかが理解できました。」

 

24-7からの支援を得て、同社では、マーケティング戦略を大きく見直すことになります。既存顧客の企業属性や製品の利用目的を調査分析したところ、同社の製品は特定業種の中小企業のマーケティング担当者に多く採用されているという傾向が明らかになりました。そこで、芹澤氏は、製品の将来的な顧客となりうる潜在層に対するマーケティング施策として、メールマーケティングに特化した情報サイト「メールマーケティングラボ」を立ち上げることを決意しました。

 

 

rakus-mail_case_mml.jpg

※メールマーケティングに特化した情報サイト「メールマーケティングラボ」

 

 

サイト立ち上げ当初は、週2本のペースでメールマーケティングに関するハウツーやTipsをブログ記事として公開し、より本格的にメールマーケティングについて学びたいと考える読者向けにメールマーケティングの基礎知識をまとめたeBookを用意。さらに、eBookをダウンロードした読者を対象として、定期的にニュースレターを送る、セミナーを開催するなど見込み客の育成を図りました。このように同社では、広告に頼らない方法で、潜在顧客の認知を獲得し営業案件を創出するまでの一連のマーケティングプロセスを一から構築したのです。

【効果】
半年で新規受注数が10%増、インバウンドマーケティングのROIはリスティング広告の2倍。

同社では、インバウンドマーケティングに取り組みはじめてから約半年で、ウェブサイトへの自然検索流入が約5倍に、新規受注数が約10%増加し、当初設定していた目標を大きく上回る成果を挙げることができました。また、インバウンドマーケティングのROIはリスティング広告の2倍を記録し、当初の課題であったROIの改善にも寄与しているとのことです。

 

「ブログを立ち上げて以降、相談ベースの潜在見込み客との打ち合わせが増加し、インバウンドマーケティングで獲得した見込み客からの受注率も上昇しました。打ち合わせ以降も、営業担当者自ら打ち合わせ内容に関連するブログ記事のリンクURLを見込み客の企業担当者に伝え、信頼を築くようにしています。結果として、受注率の上昇につながっているのだと思います。」

 

さらに、副次的な効果として、インバウンドマーケティングに取り組むようになってから営業担当者から感謝されることが多くなった、と芹澤氏は話します。

 

「インバウンドマーケティングを行う以前、営業担当が見込み客と打ち合わせをした時に頂く質問はシステムに関するものが大半でした。インバウンドマーケティングを行い始めてからは、質問内容がコンサルティングに近い内容で、相談ベースになることが多くなりました。以前はシステムしか提供していなかったのに対して、課題を抱えるお客さまたちが自分から私たちのブログ記事を勉強して、私たちを信頼してくださった上で相談してくださる機会が増えました。」

 

今後の展望として、新たにインサイドセールスチームを立ち上げ、見込み客から営業案件への転換率を上昇させ、さらなる受注数増を目指したい、と芹澤氏は語ります。また、将来的には、オウンドメディアを基盤として既存顧客のコミュニティを形成し、有料コンサルティングなど付帯サービスの提供も見据えているそうです。

 

 

rakus-mail_case_profile.jpg

株式会社ラクス

マーケティング担当

芹澤はずき氏

【解説】
アトリビューション分析により、コンテンツ制作のPDCAを加速。

同社のインバウンドマーケティングの成功の秘訣は、コンテンツに対する分析と改善にあります。ブログ記事やeBookを作りっぱなしにするのではなく、HubSpotのアトリビューションレポートを活用し、どのコンテンツが見込み客や顧客獲得に貢献しているのかを分析し、次にコンテンツを作成する際の参考としているそうです。

 

「HubSpotのアトリビューションレポートでの分析はコンテンツを作成、改善するためにとても役に立っています。どのコンテンツがリード獲得に貢献しているのか把握ができるようになりました。特に、社内のマーケティング担当者が持つ成果指標は営業担当者に渡した見込み客数で測られるため、どのブログ記事が営業担当者に渡った見込み客を生み出したかがわかることはGoogle Analyticsではできないことで、とても意味のあることでした。マーケターにとって、とても重要な機能だと感じています。」

 

オウンドメディアの運営に当たっては、PVやUUなど表層的な数字に目を奪われがちですが、もう一歩踏み込んで、見込み顧客や顧客獲得などのよりビジネスに近い指標を用いてPDCAサイクルを回すことが重要だと言えそうです。

 

インバウンドマーケティング

企業名

株式会社ラクス

業種
  • ソフトウェア開発
事業内容

法人向けクラウドサービスの販売提供及びIT技術者派遣。

従業員数 393名(2016年4月1日現在)
URL http://www.rakus.co.jp/