導入事例 - ソウルドアウト株式会社様

【課題】
全国の中小・ベンチャー企業をWebマーケティングで支援。圧倒的な営業力の影に大きな課題が潜んでいた。

日本全国の中小・ベンチャー企業をWebマーケティングで支援するソウルドアウト株式会社は、2009(平成21)年の設立より変わらぬ志を持っています。それは「投資対利益」への徹底的なこだわりです。同社 WEBマーケティング改善支援本部 PR部 部長補佐 小林史宜氏は「私たちは運用型Web広告をはじめ、Webマーケティング全般を支援できるサービスをご用意しています。ただ、安かろう、悪かろうの対応ではお客さまの課題は解決できません。そこで私たちは社内プロセスの効率化、自動化を推し進めることで、高品質なサービスを安価に、一貫して提供することをモットーとしています。それは国内企業の9割以上を占めるすべての中小、ベンチャーのお客さまの課題を解決し、挑戦、成長を支えることが使命だと考えるからです」と理由を説明します。

 

同社のもうひとつの強みは「卓越した営業力」。全国24拠点の営業所による地域密着型の対面営業で、これまで多くの企業の課題を解決してきた実績を誇ります。しかし、この営業力の高さが仇になり、ひとつの大きな課題が生まれていました。小林氏は「長年、お客さまに電話をかけて、訪問のアポを取るプッシュ型の営業活動を行ってきたのですが、2013年頃から事業規模の拡大に伴い人件費の高さ、精神的な負担の大きさ、成果が大きく個人に依存する点などの課題が顕在化していました。こちら側から押しかけるプッシュ型ではいずれ限界を迎えるのは明らかで、お客さまをお招きするプル型に営業スタイルを転換しようと考えたのです」と経緯を語ります。しかし、長年、属人的な営業スキルに頼ってきた同社にはプル型に切り替えようにも、プラットフォームそのものがありませんでした。小林氏は「Webマーケティングを支援している企業としてお恥ずかしい話なのですが、看板となる自社サイトは作ったままで数年間放置されていました。また、お問い合わせのボタンをクリックするとメーラーが立ち上がるのですが、問い合わせは月に数件あればいいほうで、まったくプル型としては論外の状況だったのです」と笑います。

 

 

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※HubSpot導入以前の会社サイト。「お問い合わせ」ボタンを押すとメーラーが立ち上がる。

 

 

まさに医者の不養生、紺屋の白袴、Webマーケティングを専業とする企業では考えられないことかもしれません。しかし、それでも確かな業績を積み上げてきたということは、裏返せば営業力の高さの証明でもあります。この強みである営業力こそが、皮肉なことに同社の課題を見えにくくしていた一因だったのです。

【対策】
SEOの知見が活かせるコンテンツマーケティングへ。ツールはプル型の設計思想を持つ「HubSpot」を選択。

プッシュ型からプル型へ。営業スタイルの転換を決断した同社では、いかにして顧客を呼び込むかの検討を開始しました。小林氏は「弊社にとっても新たな挑戦だったので、大きな予算を投じて認知度を高め、お客さまを呼び込むマス広告展開のような力技は不可能でした。一方でコンテンツマーケティングであれば、もともとの業務で培ったSEOのスキルが活かせます。そこで、私たちの事業に関係が深いWebマーケティングに関係するビッグワードで検索結果のトップにくるコンテンツが提供できれば、間違いなく多くのお客さまを呼び込めると考えたのです」と当時を振り返ります。

 

続いて同社ではコンテンツマーケティングの運用に欠かせないMAツールの選定にかかりますが、ほぼ最初から目星はついていました。小林氏は「昔からMAツールに興味を持っていて、当時から海外で多くの成功事例を築いていたインバウンドマーケティングを謳うHubSpotにひと目惚れ。フリートライアル版にも触れて、いずれ絶対に使ってみたいと考えていました。いろんな機能を詰め込んだMAツールは数多くありますが、大半が使い勝手のところまで踏み込めていません。ところが、お客さまを呼び込むプル型の設計思想からなるHubSpotは、管理画面を見ればわかるのですがワンパッケージですべてが完結しているのです。全部できるにとどまらず、容易に一元管理できるところまで落とし込めている点が、他のMAツールにはないHubSpotの魅力といえます」と選定の経緯を語ります。

 

同社では以前から制作委託などでパートナー関係にあったHubSpotの正規販売代理店である株式会社24-7とともに、プル型のインバウンドマーケティングへの転換に着手します。もちろん、苦労がなかったわけではありません。小林氏は「まず、社内で誰もMAツールを使ったことがないため、本当に基礎から習得が必要でした。また、基本的な使い方を理解した上で、どう回すかの試行錯誤もあり、HubSpotに精通した24-7にはいろいろ相談しました。非常にあいまいな質問に対しても的確な答えがもらえ、大変助かりました」と、24-7の導入支援を高く評価します。

 

HubSpotを導入して最初に活用した機能は「入力フォーム」でした。小林氏は「インバウンドマーケティングを回していくためには、まずはお客さまのデータをためていく必要があります。そこで目的別で項目を変えたフォームをいくつか用意し、すべての問い合わせをHubSpotに集約、リードとして蓄積できる仕組みをつくりました。また、お問い合わせをいただくために、新たにオウンドメディアを立ち上げることにしました」と語ります。

 

自社サイトではなく、新メディアの立ち上げを決断した理由は、読み手の課題を解決する良質な記事を提供することが主目的だったため。客観的な視点のメディアに広告臭の出る社名は不要だったのです。

 

 

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ソウルドアウト株式会社

WEBマーケティング改善支援本部 PR部 部長補佐

小林史宜氏

【効果】
苦労の連続で立ち上げたメディアが半年で30万PV達成。毎月150件の問い合わせが殺到するプル型営業の秘訣とは。

インバウンドマーケティングにおいて、もっとも重要になるのが集客の受け皿となるメディア。いかに魅力的な記事を盛り込んでいくかがリード獲得のカギを握ります。当初はメディアの制作を外部に依頼していた同社でしたが、なかなか思うような効果が出ませんでした。そこで、外部への委託から内部制作に方針を変更。やはりサービスのことをいちばん深く理解している社内で制作するほうが、読み手の課題を的確に解決できる記事がつくれると考えたのです。小林氏は「結果的に立ち上げから半年で30万PVを達成したのですが、その道のりは苦労の連続でした。やはり質のいい記事を書くには大変な労力が必要になります。社員ですから自社サービスの機能、特長はいくらでも書けますが、どんな課題が解決できるのかを伝えなければ意味はありません。課題を抱える読み手の視点で書くことが重要になるため、原点に立ち返ってサービスを深掘りして記事をつくり込んでいきました」とメディア立ち上げの舞台裏を明かします。

 

最初はリスティング広告、ランディページの課題にトピックを絞り、少数精鋭の社員が1日1記事の公開を目標に記事を執筆するスタイルで新たなメディア「LISKUL」の公開はスタートしました。徐々にSEOの効果が表れ、検索上位に記事が表示されるようになると、記事の書き手を増員。月間50万PVをコンスタントに達成するようになったいまでは、新入社員が執筆することも珍しくありません。選任の編集長を立て、記事執筆の社内向け勉強会を定期的に開き、社員の積極的な参加を呼び掛けた成果です。

 

 

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※ソウルドアウト社が運営するメディア「LISKUL」

 

 

小林氏は「このメディアは中小企業の担当者に見ていただくことが大前提ですが、社内的な教育、知識共有にもひと役買っています。質が高く、わかりやすい記事を若い社員が見て学び、記事も書くようになることで、属人的だったスキル、ノウハウがすりあっていき、高いレベルで平準化されつつあるのです」と解説します。

 

「LISKUL」は会員登録のいらないオープンなメディアになっており、誰にでも記事が読めるようになっています。そして資料のダウンロード、定期購読を希望するユーザーからメールアドレスを取得。メール限定で最新の情報を配信することでリードナーチャリングを行います。小林氏は「メール配信を続けていくと、興味を持った方からお問い合わせが来るようになります。深く話すべき方には営業が訪問して商談を行うという流れです。ちなみにプッシュ型営業に頼っていた頃は数件だった問い合わせ件数がプル型に転換した現在では月150件に増えており、これまで営業が行っていた新規顧客獲得に割く時間もゼロになりました。なにより、課題やサービスを理解した上でお問い合わせが来るので、リードの質も向上しています」と、インバウンドマーケティング導入による大きな成果を実感しています。

【解説】
すぐに効果を出したいなら広告を選ぶのがセオリー。広告とインバウンドマーケティングの両軸で考えるべき。

インバウントマーケティングでは、まずペルソナの設定を行うのが一般的です。しかし、最初から細かく設定する必要はありません。それは施策を回しながら後から設定し直せるからです。小林氏は「HubSpotを使い始めた頃は大雑把なペルソナしか設定していませんでした。その後、メディアを運営する中で読者の傾向を把握できてきたので、今後は精度の高いペルソナを設定して、より幅広いターゲットにリーチしていきたいと考えています。ただ、あまり細分化しすぎると手間やコストがかさむので、汎用性が高く、息の長いコンテンツを用意するなど、うまく回していけるような取り組みも並行して進めていきます」と展望を語ります。

 

メディアをつくり、いいコンテンツを発信してリードを集める。MAツールを使って集めたリードを育成する。見込みの高い顧客に対して営業がクロージングを行う。この流れは新規顧客の獲得に課題を抱えるB2B系の企業にとっては「勝ちパターン」であることは間違いないと小林氏は断言します。ただ、すべてのB2B系企業が、いますぐインバウンドマーケティングに取り組むべきかどうかは別の話だといいます。「まず投資対効果の観点で考えるべきです。投資に対してすぐに効果が出る広告に対し、SEOがからむインバウンドマーケティングは投資から効果が出るまでに時間がかかります。いま求めている成果はどちらかという話です。ただ、企業としてはどちらもやるべきことなので、私たちは広告とSEOで悩まれているお客さまに、そのことはしっかりとお話しするようにしています」と、小林氏はアドバイスを送ります。

 

インバウンドマーケティングをうまく回すポイントして、MAツールとパートナー選びも重要になってきます。小林氏は「 やはりMAツールはUIに注目すべきでしょう。歴史が長く、何度もアップデートを重ねているHubSpotは、細かいところまで詰められていて非常に使いやすい印象です。また、できるか、できないかもわからない無茶振りといえる質問にも、しっかり答えてくれる24-7のような、ツールを熟知したパートナーの存在も重要でしょう」と締めくくります。

 

インバウンドマーケティングには集客力の高いメディア、コンテンツが不可欠です。それをつくりあげることができれば、こちらから営業をかけなくても多くのユーザーを呼び込むことができます。また、営業に要していた時間を削減、本来の業務に集中できるようになり、それが業績を伸ばす社内スキルの底上げにもつながるでしょう。

 

まず、サービス、製品をいちばん深く理解する社員の手でメディアを立ち上げてみる。超えるべきハードルは少なくありませんが、インバウンドマーケティングを導入するのであれば挑戦してみる価値はあるのではないでしょうか。

 

インバウンドマーケティング

企業名

ソウルドアウト株式会社

業種
  • サービス業
事業内容

中小・ベンチャー企業向けWebマーケティング支援。

従業員数 211名(2016年4月現在)
URL http://www.sold-out.co.jp/