日本でも見込客の獲得(リードジェネレーション)や育成(リードナーチャリング)のためにコンテンツマーケティングの注目度が高まってきています。コンテンツマーケティングといえば、企業ブログSEO対策に目を向けられがちですが、企業ブログを読んでいる潜在顧客が見込客になるための仕掛け作りをしておかなければ、正しくコンテンツマーケティングに取り組んでいると言えません

その仕掛けのひとつにホワイトペーパー(ebook)を利用したものがあります。ホワイトペーパー(ebook)をダウンロードしていただくのと引き換えにお客様の会社名や名前、Emailアドレスといった情報を入力いただくことで潜在顧客を見込客に転換することができます。よりよいホワイトペーパーを作成し、多くの潜在顧客にダウンロードしていただくことがコンテンツマーケティングの成功の鍵を握っているといっても過言ではありません。さらに、コンテンツマーケティングに必要なコンテンツの作成はすべて自社内で行っている企業が44.1%と多数を占めていることからも、自社でホワイトペーパーを作成するためのノウハウが必要になることがわかります。

そこで、ホワイトペーパー作成初心者のマーケティング担当者やコンテンツ作成者向けに、ホワイトペーパーを7種類に分け、それぞれの特徴と適したカスタマージャーニーを、私が実際にダウンロードして確認したホワイトペーパーの実例を交えながらお伝えします。この記事を読めば、どのホワイトペーパーの作成から取り組めばよいかが見えてきます。

7種類のホワイトペーパー


用語集

ある特定の分野の用語を集め、それぞれの用語を解説することで用語集のホワイトペーパーを作ることが出来ます。自社の商品・サービスに関わる分野の用語の用語集は比較的作りやすいため、ホワイトペーパーの作り始めにも最適です。
用語集のホワイトペーパーが欲しい人は、あまりその分野に詳しくはないが、知りたいと思っている人が多いので、認知段階のリードの獲得に適しています。

経営ハッカー(freee社)が提供しているホワイトペーパーの一つに「永久保存版!勘定科目完全ガイド」があります。
勘定科目の説明だけに留まらず、使用頻度や類似科目の提示、仕訳の処理の方法まで詳しく書かれています。また、頻出科目をまとめてあったり、重要な科目をまとめてあったりと通常の用語集にはない切り口もあります。クラウド会計ソフトである「freee」を今後使用する可能性のある経理担当者がダウンロードすることを狙ったホワイトペーパーになります。


入門ガイド

自社が展開している製品・サービスに関係した入門ガイドをホワイトペーパーとすることも効果的です。用語集よりもより深い興味を示している人がダウンロードする傾向にあります。また、すでに利用していても上手く利用できていない人が、初心に戻ってダウンロードすることもありますので、幅広い人に興味を示してもらえるホワイトペーパーです。入門ガイドなので、自社で持っているノウハウを十分に生かせるホワイトペーパー作りができます

トライバルメディアハウス社が提供している「ソーシャルメディアアカウント運用[入門編]」は、自社が手がけているサービスの中から、ソーシャルメディアマーケティングにつなげるためのホワイトペーパーとして提供しています。内容では、それぞれのソーシャルメディアの特徴・概況に始まり、ソーシャルメディアの特性につなげてソーシャルメディアマーケティングの重要性を謳っています。ソーシャルメディアに興味をもった人がソーシャルメディアマーケティングの重要性に気付くためのホワイトペーパーにもなっています。


調査レポート

独自に調査した内容をレポートにまとめることで調査レポートを作ります。一昔前であれば、実際に足を運んで情報を集めたり、電話を使ったアンケート調査をしたりしていたため、調査レポートを作るために多大なコストがかかっていました。しかし今ではアンケートサイト(モニプラなど)を利用して調査・分析したりすることもでき、あまりコストをかけずに手軽に独自の調査レポートを作成することができます
調査レポートが欲しい人は、課題の解決方法を探っていたり、調査レポートの分野に興味をもっていたりする人が多いです。そのため、調査レポートのホワイトペーパーは認知段階のリードの獲得に適しています。

アライドアーキテクツ社が提供しているホワイトペーパーの一つに「企業/ブランドのSNS公式アカウントからの情報取得に関する意識調査」があります。アライドアーキテクツ社は企業がSNSを運用する支援をサービスとしているため、SNSからの情報取得がどれぐらい重要かを知りたがっている人はリードになりやすいと考えられます。自社がターゲットとする人が知りたがっている調査内容をホワイトペーパーにすると効果的です。


セミナー・展示会レポート

自社で開催したセミナーや出展した展示会のレポートを書いてホワイトペーパーを作ります。セミナーの内容もさながら、セミナー会場の雰囲気やセミナー参加者のアンケート結果等を記載することで、セミナーに参加したいと思わせることもポイントです。
セミナー・展示会レポートが欲しい人は、すでに検討の段階に入っているリードであることが多いです。セミナーに参加しようと迷っていたり、セミナーに参加することが出来なかったりすることが考えられますので、次回セミナーに参加してもらえるように働きかけることが効果的です。
またセミナーレポートはブログ記事として書き、セミナーで使用した資料(スライド)をダウンロードするような形にすることもできます。

GinzaMetrics社では、セミナーレポートをブログ記事にし、そのブログ記事からプレゼン資料をダウンロードするページヘの動線を用意しています。セクション毎に資料の一部を画像にして載せているため、資料により興味が持ちやすいですし、発表内容も要点が記載されているため、資料と突き合わせてて見ることができます。


How-To

How-Toのホワイトペーパーは実際の製品・サービスの使い方を指南するホワイトペーパーです。広く認知されている製品・サービスのサポートを提供している企業ではこのHow-Toのホワイトペーパーをサービスの認知に有効的に活用することができます

これは私の実体験ですが、Google Analyticsを使いこなすために、その使用方法を検索していたところ、クリエイターズネクスト社が提供している「Google Analytics完全ガイド」を発見し、ダウンロードしました。クリエイターズネクスト社が提供するKOBITはGoogle Analyticsの分析をするツールなので、Google Analyticsの使い方を知りたい人にKOBITを知ってもらいたいという狙いがあります。
私もGoogle Analyticsの分析ツールを探していたわけではありませんでしたが、KOBITを知るきっかけになりました。


事例

事例紹介のホワイトペーパーは、比較検討している人にとって一番欲しいホワイトペーパーかも知れません。多くの企業が商品やサービスを導入する前に、今までにどのようなユーザが導入したかの事例を知りたがります。また、お客様の購買の動機にも大きく関わります。事例紹介はWebサイトにページとして掲載されることも多いですが、全ての事例を掲載せず一部をホワイトペーパーにしたり、事例の一部を掲載し全文をホワイトペーパーとするなどの工夫ができます。

大塚商会社の「成功導入事例ページ」では各企業ごとに導入事例紹介ページがありますが、それに加えて「成功導入事例集ダウンロードページ」を用意しており、リードの情報と引き換えにホワイトペーパーをダウンロードするような仕組みになっています。また、この成功導入事例集は業種別に分かれているため、リードが必要としている業界がわかります。


製品紹介

製品紹介のホワイトペーパーは比較検討段階や決定段階の人にとって欲しいホワイトペーパーです。製品の概要、特徴を記載したホワイトペーパーを用意することで、ユーザに製品について知ってもらうことができます。製品紹介は自社の製品・サービスについて記載すればよいので、比較的簡単に作成することができます。ホワイトペーパーを見て興味を持ったユーザに対して詳細な情報の提供や、デモの提供が出来るようなフォローを行うことで、ホワイトペーパーのダウンロードだけで終わらないように工夫することが大切です。

アイ・エス・アイソフトウェアーが提供するERP「GRANDIT」のホワイトペーパーもその一つです。他のERP製品との比較を行うためにも必要な資料ですし、ダウンロードしたユーザはより興味を持ってくれているということがわかります。また、ブログ記事からもホワイトペーパーのダウンロードページへの動線を作り、ブログ読者からリードへの転換を図っています。


最後に

以上、7種類のホワイトペーパーからコンテンツマーケティングのポイントをお伝えしました。ホワイトペーパーも他のコンテンツと同様に、定期的な追加、更新が必要になります。コンテンツの戦略→作成→運用→分析というPDCAを回していくことで、よりよいホワイトペーパーを作成していくことが重要です。ぜひコンテンツマーケティングを始めるきっかけにホワイトペーパーを作成してみてください。


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