crm_top

CRMについてあらためて理解を深めよう、と本屋をのぞいて見ると、CRM関連の書籍がない、少ないと思いませんか?

代わりに「MA(マーケティングオーオートメーション)」や、「SNSマーケティング」など、さまざまなマーケティング手法に関する本がずらり。

しかしながら「CRMはもう古い、廃れた」ということではありません。マーケティングのトレンドとしてSFAMAなど、CRMを包括するもしくは発展させた、新たなテクノロジーやツールに注目が集まっているといえます。

またCRMと、SFAやMAって何が違うの?という疑問もよく耳にしますが、まず取っかかりとしてCRMについて基本的な理解をすることで、MAやSFAなどのトレンドも理解しやすくなるはずです。ということで前段が長くなりましたが、CRMに関するおすすめ書籍をご紹介します。

目次

今回のおすすめ書籍『CRMの基本』

当記事でご紹介するのは、坂本 雅志(著)『この1冊ですべてがわかる CRMの基本』(日本実業出版社、2014)です。

bookimage01_crm_basics

著者の坂本雅志さんは、15年以上にわたりリテールビジネス(小売業)のプロとしてキャリアを築き、2010年に独立、株式会社スマートウィルを設立。“顧客の声”を起点とした、事業戦略を提案するコンサルティングサービスを提供されています。

本書はタイトルの通り「CRMの基本」を理解した上で、「マーケティング手法としての実践方法が知りたい」という人におすすめの本です。ただし、実践方法という意味では、著者のキャリアの通り、リテールビジネス、すなわちB2CビジネスにおけるCRMの事例に寄っています。そのためB2Bに特化したノウハウや事例を知りたい、という方には不向きです。

本書の概要と、マーケティング担当者が読むメリット

CRMについては広義・狭義でさまざまな解釈がありますが、CRMとは「経営における、選択と集中の取り組みのこと」と本書では定義されています。そして、CRMの目的は「顧客の識別」+「顧客とのリレーション構築」=「LTV(顧客生涯価値)の最大化」であるといいます。

なんだか難しそうに感じますが、つまりは、優良顧客を識別し、彼らにより多くのリソースを投資し、そのLTVを大きくすることが経営において大切、ということです。

CRMの実践方法としては、「(優良)顧客の識別方法」「顧客の維持・育成」「顧客データの収集・分析・活用」についてそれぞれ解説され、企業事例もあわせて紹介されています。

CRMの成果をどのような指標で測るか、そもそも優良顧客をどのように識別するか、収集した顧客のデータをどのように管理・分析・活用するか。これらの実践方法が詳しく知りたい方は、ぜひ本書を読んでみてください。化粧品メーカーやホテル、百貨店サービスなど5社ほど、具体的な企業の事例を交えて分かりやすく説明されています。

B2C企業のマーケティング担当者で、CRM戦略の立て方や、CRMの実践方法が知りたい方、あるいはCRMツールを入れているがどのように活用したら良いのか分からない、という担当者には大いに役立つ内容と予想します。

よくあるCRMの疑問がすっきり。3つのポイント

ポイント1:CRM、MA、SFAってつまりどう違うの?

本書では、以下のように述べられていました。

“(本書より抜粋)古くから顧客の識別や顧客との関係性の構築はさまざまな形で行われてきましたが、CRMの始まりは営業担当者の営業活動をITシステムで支援するSFA(Sales Force Automation)だったとされています。これにより、営業の効率化、システム化、情報共有の効率化が進みました”

その後、顧客会員化のムーブメントによって、ポイントカードなどで顧客の属性や購買履歴を管理する仕組みができたり、インターネットショッピングが普及したことなどによってCRMのシステムが急速に発展したようです。「情報共有」という考えから生まれたSFAの仕組みが、システム上で効率的に顧客データを管理するCRMに発展したのですね。

また、MAとの違いについて。本書の終盤で以下の記述があります。

“(本書より抜粋)これまで多くのマーケティング活動においては、新規顧客の獲得と既存顧客の維持・拡大は別々に捉えることが一般的でした。しかし、新規顧客の獲得においても顧客関連データを分析することで、優良顧客に育成しやすい顧客にターゲットを絞り込むことが可能になってきています”

MAでは、見込み顧客の獲得を目的とした活用がメインで考えられますが、テクノロジーの発達によってデータ活用の幅が広がったことで、既存顧客のデータを分析し見込み顧客獲得の戦略にも活用するなど、CRMとMAは密接に関係しているといえます。

ポイント2:ビッグデータの時代と言われるけれど、マーケティングの世界ではどこまで活用できるの?

“(本書より抜粋)数多くのデータを連携させ、「1人の顧客」に紐づけていくところから生まれるCRMが基本になります”

本書によると、FacebookなどのSNS上のデータを顧客データと紐づけたりなど、技術革新によって活用できるデータは増えてはいるが、結局のところ「1顧客1ID」でどのようにデータを活用できるかが重要であるということです。ビッグデータの活用、と言われますが、インターネットの急速な発達により数多のデータが存在するということと、そのデータをどのように活用できるかは分けて考えなければなりません。とはいえ、近年特に重要視されているSNSデータのマーケティング活用については、マーケティング担当者であれば基本的な知識は身につけておきたいところです。

ポイント3:CRMって、結局はDMとかメールを送る仕組みってこと?という誤解

マーケティング担当者の視点では、どうしてもWebサイトやメール配信システム、といったところに視点が偏りがちです。しかしながら、

“(本書より抜粋)多岐にわたってバラバラに存在する顧客接点を整備し、チャネルごとに顧客データを統合、一元的に管理することが顧客満足へと繋がっていくのです”

また、

“顧客接点の設計管理の取り組みにより、シームレスな顧客対応を実現することで、顧客ロイヤルティの向上が図れます”

と本書にある通り、マーケティング担当者が持つ顧客接点(WebサイトやSNS、メルマガなど)だけでなく、営業担当者、店舗、コールセンターなど、さまざまなチャネル上に散らばっている顧客の情報を管理し、シームレスに対応することが重要であると述べられています。  

おわりに

本書を読むことで、CRMについて基本的なことはかなり理解が深まると思います。
B2CのCRMについては理解したけれど、B2BにおけるCRMについて知りたい、というマーケティング担当者の方、弊社ではB2Bのビジネスを展開される企業様へのマーケティング支援を強みにしていますので、ぜひ一度ご相談ください

次回の記事では、CRMの本質をさらに深掘りする『CRM―顧客はそこにいる』をご紹介予定です。

完全無料のHubSpot CRMお申し込み

関連記事

togano_profile執筆:戸叶 恵美
ディレクター|コンテンツ制作をメインに、企業のマーケティング活動のお手伝いをしています。読者にとって本当に役に立つコンテンツ作りを目指し、日々勉強中。