昨今、大小含めて様々なオウンドメディアが生まれ、求められている役割も様々です。

BtoC企業のECサイトのオウンドメディアを例にとってみます。
ECサイトの場合、商品のスペックの他、ユーザーの使用体験レポート、商品ストーリー(製品に込められた思い、商品制作秘話、生まれた理由、商品の歴史)など様々なコンテンツがあり、一言で言ってしまえば、ECサイトのオウンドメディアはプロダクトのプロモーションの役割を担っています。継続的な更新によってプロダクトを理解してもらう、ユーザーの購入のハードルを段階的に下げる、SEOの評価も上がる、運営しているECサイトのファンが増える(リピーターになりやすい)というメリットからサイトの運営をしています。

では、BtoBの会社の場合はどうでしょうか?
BtoBの会社の場合、自社サービスや自社製品などを紹介しつつ、顧客獲得の施策であるリードジェネレーションやリードナーチャリングを行う目的のほか、人材採用を目的としたオウンドメディアが代表的な事例です。

※リードジェネレーションって何?という方は、以下をご参照ください。
リードジェネレーションとは – ネコと学ぶインバウンドマーケティング用語集
https://dx.24-7.co.jp/leadgeneration/

このようにサイトの種別により、多様な目的を持つオウンドメディアですが、オウンドメディアを経由した場合とそうでない場合の検証はできていますか?
この効果を検証することで、オウンドメディアの価値がわかり、運営する側は今後の目的に合わせた戦略や方向性が定まっていきます。

今回はオウンドメディアの検証方法の一例として、マーケティングオートメーション(今回は、HubSpotを使用)を使用した場合とGoogle Analytcs(以下、gA)を使った場合を考えたいと思います。

検証方法の前提条件

今回は、BtoB向けコーポレートサイトで、リード獲得を目的としたサイトで考えたいと思います。集計期間は、2015年の12月とします。サイト構成は、以下のようなBtoBにありそうな構成を想定します。

上記の通り、コーポレートサイトのコンテンツの一部として、オウンドメディアが存在しています。リード獲得するためのCTAは、オウンドメディア側、コーポレート側にも両方存在している都合上、オウンドメディア経由なのか?それともコーポレート側だけでリード獲得したのか?という点で検証しにくい状況です。

効果検証するためには、オウンドメディアを通過しているか否かがキーになっていますので、ここに主眼を置いて考えたいと思います。HubSpot(マーケティングオートメーション)とgAではそれぞれ取得できる数値・データが違うため、それぞれ特性にあった検証方法を考えます。

CTA(Call to Action)とは、訪問客に行動喚起するバナーボタンのこと。ランディングページへ導くためのものが多い。

HubSpot、またはgAを使用した検証方法

HubSpotでの検証方法
gAでの検証方法

HubSpotでの検証方法

HubSpotなどのマーケティングオートメーションは、個々のユーザーのオンライン上の行動を記憶しているのでこの性質を利用します。

使用するのは、「リスト機能」です(他のマーケティングオートメーションでも同様な機能があります)。
本来のリスト機能は、メルマガ対象者をリスト化する事やアプローチする相手をリスト化する際に使いますので、今回のような使い方ではありません。
しかし、人数を把握という意味では適していますので、この特性を使います。

HubSpotのリスト機能による設定方法

  1. リストの新規作成で、「コンタクトプロパティ」を選択し、「作成日(Create Date)」で期間指定します。期間指定は、「次の条件の間(is between)で出来るので、12月01日〜12月31日の間と指定して保存します。
    このリスト名は、仮の名称として、「設定値:当月の獲得」 とします。
    pic001
  2. リストを更に新規作成し、「ページビュー(Page View)」選択し、「過去に次のURL(部分一致)を訪問した(Contact has visited URL containing)」を選択し、オウンドメディアのURLを入力します。
    前提条件の場合であれば、www.test.com/media/と入力し、「Done」をクリックします。
    pic002
  3. さらに条件を追加する為、「と…(and…)」をクリックします。
    2.と同様に、「ページビュー(Page View)」選択し、「過去に次のURL(部分一致)を訪問した(Contact has visited URL containing)」を選択し、リードになった際に表示するthaksページのURLを入力します。
    前提条件の場合であれば、www.test.com/media/guide/thanksと入力します。
  4. 12月中のリード獲得数を取りたいので更に条件を入力します。「絞り込み条件」をクリックし、「指定日または日付以前」を選択し、カレンダーから2015/12/31を選択します。
    pic003
    選択後、「Done」をクリックし、このリストを保存します。このリスト名は、仮の名称として「設定値:オウンドメディア通過」とします。
  5. リストを更に新規作成し、「リストメンバーシップ」を選択し、「コンタクトがリストのメンバーである」を選択し、1.で作成したリストの「設定値:当月の獲得」を選択します。
    pic004
  6. 別の条件を追加ボタンを押して条件を追加し、5.と同様に「リストメンバーシップ」を選択し、「コンタクトがリストのメンバーである」を選択し、4.で作成したリストの「設定値:オウンドメディア通過」を選択し、保存します。
  7. リストに入った人数を確認、もしくはレポート画面でこのリストを表示してユーザーの推移を確認します

これでオウンドメディアを経由、なおかつリード化した人数を把握することができます。また、この通過者はリスト化されているので対象者にメールを送るなどアプローチできるので便利です。

より厳密にしたい場合、新たに条件用リストを作成し、6.に条件を追加していけば、更に細かい人数を知ることができます。
想定しうるものとして、「最初の訪問日」でさらに絞り込む、「最初に訪問したのはオウンドメディア」で絞りこむ等が考えられますが、キリがなくなるので、どのような数値が欲しいか?何が目的か?を明確にしておく必要があります。

gAでの検証方法

gAの場合、マーケティングオートメーションにあるような個人の行動履歴は追うことができませんが、指定期間内に特定の行動したセッション情報を追うことは出来ます。使用する機能は「セグメント」です。

gAのセグメントによる設定方法

  1. セグメントを新規で作成し、詳細から「条件」を選択します。
  2. 条件選択では、「ページ」を選択し、「一致条件は含む」(環境によっては、正規表現)を選択します。
  3. 入力欄にはオウンドメディアのURLを入力します。
    前提条件のサイトであれば、www.test.com/media/ となります。
    pic005
  4. 条件をさらに加える為、ANDで条件を追加し、上記同様に「ページ」を選択し、一致条件は「含む」(環境によっては、正規表現)。入力欄には、thanksページを入力します。前提条件のサイトであれば、www.test.com/quide/thanksと入力し、保存します。
    pic006
  5. レポート上に、オウンド経由のセッション数・ユニークユーザー数等が表示されると思いますので期間を指定して推移を確認します

gAのメリットとしては、即時にセグメントしている、していないの対比グラフが表示できることやこのままセグメント済みの数値をエクスポートすることです。また、セグメントすることによりどのページがリード獲得しやすい、どの流入元が良かったなどが見えることです。

少し残念な所としては、ユーザーを特定できないことやgA側の仕様でクッキーの保存期間、セッション時間などの制約の影響があります(つまりクッキーやセッション有効期限が切れてしまうと関連性が見えなくなります)。

最後に

上記の検証の方法は、前提条件としてリード獲得した検証方法の一例ですので、全てのサイトで有効というわけではありませんが、少しでも検証のヒントになれば…と思います。

オウンドメディアの効果、じっくり検証してみてください。

その他関連記事
人を軸とするマーケティングオートメーションツールとGoogle Analyticsの訪問者数のカウントの違いはなぜ起こる?


HubSpotガイド