購買の流れを理解して、見込み客に最適な方法とタイミングでメッセージを届けよう !

みなさんこんにちは。以前「マーケティング・ペルソナを作成するときに考えるべき7つのポイント」でマーケティングや営業、開発の各部門で自身の顧客像にたいして共通認識をもつことが非常に重要であるということをお伝えしました。

顧客像であるバイヤーペルソナを理解することはどのようなマーケティングメッセージを届けるかを考えるにあたって非常に重要です。同時に、ペルソナがどのように購買のステージを進むかを理解することはメッセージをどのように変化させ、そしてどのマーケティングチャネルで届けるべきかを決断する上で重要です。

特に、最近流行っているマーケティングオートメーション(MA)を行う場合、ペルソナやカスタマージャーニーなどの戦略の根幹になる箇所を考えることはMAの戦術的な部分に非常に大きな影響を与えるためさらに重要度を増します。

本日はカスタマージャーニーがどういったものなのかを事例と共にお伝えします。

購買の流れであるカスタマージャーニーとは?

カスタマージャーニーを考えるべき理由はいくつかあります。それは、消費者がより購買力を持っている現代では画一的なメッセージを届けるだけではなく、パーソナライズしたメッセージを届ける必要があるからです。
インターネットの発達により、あなたの製品サービスの見込客はいろいろな手法で情報に接触し、時間と共にその心境、境遇などが変化し、製品サービスに対する考え方も変わっていきます。

つまり、あなたの製品サービスが提供する価値に対しての見込客からのアプローチが常に変化しており、あなたが届けるメッセージもそれに伴い変化していく必要があるということです。

そのためには、理想の半架空の顧客像であるペルソナと、ペルソナに合わせてその人たちがどのような購買のステージを踏んでいるのかを理解する必要があります。
例えば課題を認識し始めたばかりなのか、課題を解決しようとし始めたのか、購買の決断をしようとしているのか、などを理解する必要があるということです。

そのような変化を考慮してマーケティングメッセージを届けるようにしなければ、ペルソナが一方的なメッセージを送りつけられている、と感じてしまいます。実際に、米国の56%のEメールユーザーがメルマガなどの解約する理由として「今の自分」と関係のないメールが一方的に送られてくるから、とHubSpotの調査で報告されています。

バイヤーズジャーニー

上図はHubSpotの提唱する購買の流れである「カスタマージャーニー」です。左から、

  1. Awareness Stage
    明確に原因はわからないが問題に気づいたステージ
  2. Consideration Stage
    原因と自身の症状を把握したステージ
  3. Decision Stage
    自身や自身のビジネスに起こった問題を解決するために明確な購買決定をしているステージ

これらのプロセスは、日常の消費者でもある私たちが製品サービスを購入する時に考えているプロセスでもあり、自身が消費者の視点に立った時、もしくは勤める会社で購買の決断をしなくてはいけない時にたどるステップにも当てはまります。

すべての業界業種で成立するとは限りませんが、このようなフレームワークを頭に入れてマーケティングメッセージをどのように届けるかという点は重要で、ランダムなメッセージを目的もなく届けることを防ぎます。

カスタマージャーニーの作り方とは

こちらはMOZのWhiteboard Fridayで公開されたCustomer Journey Mapsに関する動画です。動画の6:40あたりからカスタマージャーニーの作り方についてのレクチャーが始まります。

(動画の英文字書き起こし記事についてはこちら:Customer journey Maps-Whiteboard Friday

こちらの例ではポストイットのような紙に、想定するカスタマーが「靴を買う」と想定した場合、どのようなインタラクションを行い購買へと繋がるかを書き込んでいます。

この想定例では、カスタマーが以下のようなプロセスを通り購買、さらには購買の後の行動を起こすとしています。動画中のポストイットでは、左から、

  1. 靴についてネットで検索をする
  2. 検索のなかでリンクをクリックする
  3. 製品について勉強をする
  4. 靴を購入するか考える
  5. 靴を買う
  6. 製品を受け取る
  7. 靴を試し履きする
  8. サイズが合わなかった
  9. カスタマーサービスに連絡する
  10. 靴の返品先の届け先を調べる
  11. 配達業者に靴を渡す…..etc

この流れが購買プロセスです。このステップをメモ書きで良いので作ります。

さらに、カスタマーがどのようなことを感じているか、どのようなことをしてほしいかなどを考えて細分化します。

カスタマージャーニーの実例3つ

(1)こちらのカスタマージャーニーマップは、中央部の丸が左から、Awareness Stage、Consideration Stageとほぼ同意義のResearch、Decision Stageとほぼ同意義のPurchaseのステージを示しておりHubSpotの提供しているBuyers Journey(上記図)とほぼ同様になっています。また、縦軸は上からActivities(活動)、Motivation(モチベーション、動機)、Questions(疑問)、Barriers(障壁)となっています。
カスタマージャーニーの事例

(参照元HBRより:Using Customer Journey Maps to Improve Customer Experience

(2)業界や企業サイズによって購買のプロセス(問題を認知すること)がオフラインから始まるケースがあります。特にターゲット像が個人事業主などの場合は、ITに対するリテラシーの関係で購買のプロセスがオフラインから始まることが多くあります。それであってもカスタマージャーニーを作ることは非常に重要です。下記ケースでは、横軸がPre Engagement(何かしらのインタラクションを始める直前のステージ)、Commercial(購買のステージ)。。などとなっているのですが、HubSpot事例とは異なり、問題をなんとなく認知するステージ(Awareness)がオフラインで発生していると考えられるケースです。
カスタマージャーニーの事例

(参照元:CUSTOMER JOURNEY MAP

(3)こちらの例はペルソナ像とカスタマージャーニーを組み合わせた例です。横軸はHubSpotの例とほぼ同様にAwareness(問題を認知するステージ)、Research(問題を認知し解決しようとしているステージ)、Choice Reduction(選択肢を減らしているステージ)、Purchase(購買のステージ)です。興味深いのが、縦軸のTouch Point Map(タッチポイントマップ)にオンラインとオフラインを行き来しながら購買のプロセスを進んでいるところがある点です。これは非常に現実的なもので、綿密な調査がなされていることが想像できます。
カスタマージャーニーの事例

(参照元:Customer Journey Map- the Top 10 Requirements

例のように、対象となるペルソナが購買に対して抱える課題をステージごとに細分化することによって、ウェブサイトの見せ方やダウンロードコンテンツを含めたマーケティングメッセージをどのような内容で、どのようなチャネルを利用して伝えるべきかを知ることができます。

さらに、こうして把握したマーケティングメッセージの伝え方は、セールス担当者、カスタマーサービスの人たちが実際の見込客や顧客にどのように接すべきかといった、自社全体が共有すべきビジネス指針にもなりえます。

このように一貫したメッセージやサービスを持つことで顧客と信頼される関係を作り、購買への可能性が高まるのです。

さまざまな国の業界の平均的なカスタマージャーニーをGoogleが公開している

カスタマージャーニーを作ることで頭を悩ますことの一つに、「おおよそのヒントが欲しいのだが、何を調べればよいのかわからない。市場調査をすべきなのか?」などの質問をもらうことがあります。

実は最良の方法は、実際の顧客にどのような経緯で自社の製品サービスを知ったかをヒアリングすることなのです。

その他にもデータサイエンティストと呼ばれるような方たちを自社内に有している場合は、その方たちに今まで行ってきたマーケティング活動のシナリオを理解してもらった上で分析を依頼するとよいかもしれません。また、そのような人が社内にいない場合でもGoogle Analyticsなどを使ってざっくりと調べることもできます。

それら以外にもざっくりとカスタマージャーニーを調べることは可能で、今日はそちらをご紹介します。

GoogleにはThink Insightsというツールがあり、Googleが保有しているデータを利用して業界と国別にどのようなカスタマージャーニーが存在しているのかを公開しています。こちらは、あくまで参考程度に、、、という感じがしますが、おおよそ自身の業界のペルソナがどのようなジャーニーをたどるかの参考になると思います。
Think insights

(参照元:The Customer Journey to Online Purchase

こちらの横軸の緑部分であるASSISTはAwarenessConsideration などの購買の前のステージを示しています。また、青部分はLAST INTERACTIONでDecision(購買のステージ)を意味しています。

例えば、このGoogle Insightのページで国をJapanに設定し、業界をTechに変更すると、一般的には以下のようなカスタマージャーニーを進むというデータを無料で確認できます。
テクノロージー 日本 カスタマージャーニー

テクノロージー 日本 カスタマージャーニー
Tech業界では、オンライン上でのジャーニーのスタートはソーシャルメディアであることが多く、そのステージは「Consideration」であることが多いことを示しています。また、ジャーニーが進むと見込客はオンライン広告をクリックして「Decision」のステージに進む、ということになります。

さらに、上記Techとはかなり異なるカスタマージャーニーを進むのがCPG(消費財系)で、下記のような図になるようです。

消費財系 日本 カスタマージャーニー

消費財系 日本 カスタマージャーニー
「Awareness」のステージでかなり多くの割合の人が何かしらの有料広告によって課題に対する気づきを得て、「Consideration」ステージでのインタラクションが特に発生することなく「Decision」のステージに近づくことがわかります。

つまり業界によって異なった施策が必要であり、さらにステージごとに異なったメッセージを最適な方法とタイミングでを届けるべきである、ということです。

ただし、これらのデータでは企業規模や地域などをどのようにセグメントしているかが明確でないため、これからジャーニーを作っていく方たちは参考程度に捉えておくほうがよいかもしれません。

こちらを参考すると、一般的には「〜すべき」と思われていたチャネルが実は見当違いだった、、、などということを発見できるかもしれません。


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