マーケティング・オートメーションにおけるスコアリングとは?始める際に気をつけるべき3つの基本事項
- 2016年07月14日 11:36
- マーケティングオートメーション
スコアリングとは
スコアリングとは、リードの個人属性や行動を数値化したスコアの加減をもとに、企業の製品に対して、どのくらい興味を持っているか、どれだけ購買という最終ゴールに近づいているかを点数化し、可視化できる機能です。
近年、マーケティング業界でマーケティングオートメーションという言葉が流行っていますが、スコアリングは、マーケティングオートメーションの主要な機能の1つです。
マーケティングオートメーションとは?-ネコと学ぶインバウンド用語集
スコアリングを始める前にこちらの記事をチェック
スコアリングを始める前に気を付けておきたいポイント
スコアリングがなぜ必要か?
マーケティングオートメーションである、HubSpotやMarketoその他のプラットフォームの普及によりリード情報を取得しやすくなりました。マーケティング活動のフェーズのリードジェネレーションで、ある程度リードを獲得できてきたけど、その後顧客化するためにアプローチができていない、という話はよくご相談いただきます。展示会やセミナーなどで獲得した名刺や、Web上で獲得したリードがある程度たまってきた、というような企業にスコアリングは活用されているケースがよく見られます。
企業の課題感としては、ある程度リードがたまっているのに、たまったリードの中からどのリードをターゲットとすれば良いかわからないために、数年リストが放置されてしまっているようです。そんな時にリード一人ひとりを点数化させ、優先順位が立てられるということでスコアリングが活躍します。
スコアリングとはどのような機能なのか
まずは、プラスになる指標とマイナスになる指標をそれぞれ設定します。ポイントの指標となるのは、個人属性と所属する企業の属性・行動を数値化して計算します。以下はスコアリングの簡単な例になります。
プラスになる指標例
- 役職が経営者・CEO
- 〇〇への予算が△△万円以上の企業
- 従業員数が〇〇人以上
- メールマガジンを購読している
- Eブックをダウンロード後にサイトを再訪問している
マイナスになる指標例
- 属性が競合する企業の社員
- コンタクトが問い合わせ(売り込み)だった
- 前回の訪問から150日以上経過している
- メールマガジンを解除されてしまった
- Eメールが不達の状態
上記は例であって、プラス・マイナスの指標は企業ごとに異なりますが、基本的に点数付けするときのポイントは、企業のペルソナと近いと判断できる属性行動にはプラスの点数を、ペルソナに合わないと思われる属性行動にはマイナスをつけます。
(下記、スコアリングを始める際の3つの基本事項を説明)
数値化することで、リードがバイヤーズジャーニーのどの段階にいるのかを分類し、リードの購買意欲やアプローチを仕掛けるタイミングを推測、決定するための判断材料になります。それによって、購買に近いリードを分析したうえで、ホットな状態で営業担当者に渡すことが可能になります。
スコアリングの落とし穴
これまでスコアリングが、どのような機能を担っていて、どのようなメリットがあるのかを説明してきました。しかし、スコアリングにはいくつか気をつけるべき点もあります。
例えばこんな状況を想像してみてください。
あなたの企業では、Webサイトのコンテンツ制作・管理が簡単に行えるCMSを開発しており、潜在顧客にメールを出したり、セミナーを開催することでリードナーチャルイングを行っています。現在、コンタクトのリストの中から、導入に近づいているAさんとBさんというリードに対してどちらを優先して商談に進めるべきか戦略を練っています。
AさんとBさんのどちらも、CMSに関するEブックをダウンロードし、ブログのメルマガ購読も登録しているため、製品への関心も高いと考えられるでしょう。
※Eブックのダウンロードやメルマガ購読の登録フォームに設置された質問項目は以下と仮定します。
- 会社名
- 氏名
- Emailアドレス
- 電話番号
- 現状の課題
「Aさんは、すでにCMS製品の導入を前向きに検討している状況で、過去、セミナーに出席したことがあります。」
「Bさんは、CMS製品の導入を検討してはいるが、他社ツールと比較しながら着々と情報収集をしている段階です。」
このようなAさんとBさんの状況を踏まえ、設定されているスコアリングを使って、スコアを算出してみます。
この条件の場合、点数だけを見るとBさんはAさんよりも購買見込みが高いとみなされ、Bさんへのアプローチが優先されるでしょう。
しかし、営業担当者がBさんにヒアリングの電話をかけアプローチをしてみたところ、予想を裏切られるように断られてしまいました。
点数の高いリードが100%商談に結びつくとは言えませんが、このようなミスマッチをできるだけ避け、スコアリングの点数を営業活動に活かすにはどうしたらよいのでしょうか?
失敗しないスコアリングのための基本事項3
リードのスコアリングの正確性を高めるために、マーケティング戦略に欠かせない3つの基本事項をご紹介します。
1. ペルソナを確立する
自社のペルソナを確立します。複数製品があれば製品ごとにペルソナ作ります。ペルソナの個人属性、企業属性を把握してその中でも最も重要となる属性をスコアリングの条件として点数をつけます。
ペルソナの作成については「マーケティング・ペルソナを作成するときに考えるべき7つのポイント」
2. リードがバイヤーズジャーニーのどの段階にいるか把握する
リードがバイヤーズジャーニーのどの辺にいるのかを把握します。ファネルごとの自社コンテンツのダウンロード履歴、訪問閲覧ページ、Webサイト行動を調べ、バイヤーズジャーニーのどの段階のリードかを把握します。それらのデータをスコアリング機能と紐付けて、点数化させ、購買の検討が進んでいる企業を抽出します。
バイヤーズジャーニーについては「バイヤーズジャーニーとは」
3. より詳細なリード情報を獲得する
リードの情報を取得するために、フォームでどんな質問項目を設けなければいけないか?について戦略を立てることは、インバウンドマーケティングやコンテンツマーケティングを行うにあたっての大前提です。潜在顧客と接触の多い企業の営業担当者に、どんな情報があると商談に繋がりやすいか、など聞いてみましょう。
上記の例で提示した質問項目に以下の項目を付け加えてみました。
- 会社名
- 氏名
- Emailアドレス
- 電話番号
- 現状の課題
- 採用サイトリニューアル時期
- 予 算
製品への興味度合いがわかる質問(この場合、サイトリニューアル時期)や、緊急性、予算などがわかるような具体的な情報があると、それらの情報をスコアリング化した時に、より信頼のある点数になるでしょう。
スコアリングは一見、魅力的な機能ですが実際に設定が複雑であったり、何を基準にしていいかわからないなどのご相談を受けます。スコアリングも含め、マーケティングオートメーションなどの運用などにお困りの方は弊社HubSpotパートナーの(株)24-7までご連絡ください。