onecompath-top-A株式会社ONE COMPATH メディアサービス本部 メディア事業部 サービス企画1G マネージャー 森谷 尚平氏(左)、システム事業本部 サービス運用部 運用デザインG 米島 潤氏(右)

MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入する企業が増えていますが、導入を躊躇している、またはうまく活用できていない企業も少なくないのではないでしょうか。 このシリーズでは、既にMAツールを活用している企業のご担当者に導入の経緯や運用方法、成果などについてお話を伺い、これから活用される企業の一助となるような情報をお届けしていきます。

今回登場いただくのは、地図検索サービス「Mapion」や、日本全国のチラシなど買い物情報をいつでも無料で見ることができる日本最大級の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」を運営する株式会社ONE COMPATH様です。「Shufoo!」は大手スーパーはもちろん、ドラッグストアや家電量販店など多くの企業の電子チラシを掲載し、その名の通り主婦層を中心に支持を集めています。「Shufoo!」におけるMAツールの活用について、メディアサービス本部メディア事業部サービス企画1Gマネージャーの森谷尚平氏と、システム技術本部サービス運用部運用デザインGの米島潤氏にお話を伺いました。

日本最大級の電子チラシサービス「Shufoo!」について

──はじめに、ONE COMPATH社の概要について教えてください

森谷氏:株式会社ONE COMPATHは、2019年4月から始まった新しい会社です。母体は地図検索サービス「Mapion」を展開していた株式会社マピオンで、そこに凸版印刷が持っていたコンシューマー向けの電子チラシサービス「Shufoo!」や夫婦専用コミュニケーションアプリ「ふたりの」といったサービスを事業承継し、新しく株式会社ONE COMPATHが誕生しました。その中で、私や米島はプロジェクトという形で「Shufoo!」におけるMA運営を含むBtoBマーケティングの推進を担っています。

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──「Shufoo!」のB2Bマーケティングプロジェクトとしての規模感を教えてください。

森谷氏:メンバーの人数は、約10人です。私がプロジェクトリーダーを担当し、他に運用、プロモーション、コンテンツマーケティング、販売促進といったチームのメンバーで構成されています。全員が別のミッションを持っているため、いわゆる「マーケティング」と言われる部分についてはプロジェクト全体でおこなっているのが現状です。

──チームの中にはフィールドセールスを担う方はいらっしゃるのでしょうか?

森谷氏:フィールドセールスは販売促進のチームに所属しています。今年に入り、ようやくインサイドセールスの領域まで着手できるようになりました。さまざまな施策を打ちながら、獲得したリードをフィールドセールスに渡すことを始めています。

MAツールを活用したアノニマスリードへの対応

──現在、「Shufoo!」ではどのMAツールを使っていますか?

森谷氏:現在はSATORIを使っています。最初はたった2人でMAの運営を始め、課題は膨大にありましたが、まずは、それまであまり手を入れられていなかった法人サイトやそこからのリードに対して改善をしていくことにしました。

「SATORI」を導入したのは、スコアリングをおこなってくれてチューニングの要素が少なく、また導入のハードルも高くなく、その時の我々でも稼働させることができそう、と思ったからです。
また、*アノニマスリードについて、その動きを見てアクションを行えるところもSATORIの強みだと感じています。もともとマピオン社ではPardotを導入していましたが、Shufoo!でのツールの使い方を考えて、実名化の前段階であるアノニマスリードに重きを置いているSATORIで、まずは始めてみようと思ったのがきっかけですね。
*アノニマスリード(Anonymous leads):匿名リード

──他のMAツールは検討されたのでしょうか?

森谷氏:いくつか検討はしましたが、SATORIは価格感も決め手のひとつでした。他にもアノニマスリードの創出が得意そうなツールも検討しましたが、価格が合わず…。今回は事業として切り出されている「Shufoo!」というサービス単体での導入でしたので、あまりコストをかけずに、まずは始めてみようということでSATORIにしました。

onecompath-2メディアサービス本部 メディア事業部 サービス企画1G マネージャー 森谷 尚平氏

──SATORIを導入されてどのくらいになりますか?

森谷氏:約1年になります。導入時の運営は2人で担当したのですが、そのうちのひとりがPardotの運用経験がありましたので、比較的早く本格的な運用まで持っていくことができました。 SATORIの導入セミナーなどは参加しましたが、それ以外は外部のサポートはあまり入れませんでした。実際、緻密なシナリオマーケティングはまだできていないのが実情です。リードに対しては、メルマガなどで有益な情報を送るようにしていますが、スコアを見るというよりは、資料がダウンロードされたり、問い合わせがあった、といった分かりやすいフラグに素早く反応して刈り取っています。

──スコアを深掘りしていくよりも、インサイドセールスとしての活用がメインという状況でしょうか?

森谷氏:現在はそうですね。コンテンツマーケティングなどでコールドリードの裾野を広げ、そこから興味を持ってもらい、媒体資料をダウンロードしてもらった上で電話をしてみると反応が良いことが多いです。実名化したリードについてシナリオを組むよりも、今はインサイドセールスに手応えを感じているところです。 また、ナーチャリングの視点では、我々で使い切れていない機能として、サイト上にポップアップを出してコミュニケーションを取れる機能があります。こういったところもやっていきたいと考えています。

国産のMAツールであるSATORIですが、使ってみてどうですか?

米島氏:SATORIの場合、今は実装されていない機能でも、開発に前向きに取り組んでくれてアップデートしてくれるところがいいですね。こういった柔軟性があるところは日本のベンダーさんの良いところだと思います。

森谷氏:サポートに関しては満足していますね。問い合わせに対してきちんと対応してくれるのは素晴らしいと思います。

onecompath-3システム事業本部 サービス運用部 運用デザインG 米島 潤氏(右)

──今後アノニマスリードへの対応以外に、MAの範囲内でやってみたいことはありますか?

森谷氏:我々は新規の獲得に重点を置いていますので、アノニマスリードの獲得という切り口でMAの活用を始めました。 しかし、最近では既存のクライアントに対してアップセルを図っていくというミッションの重要性も高まっており、既存クライアントを含むABM観点での活動も求められてきています。

そうなると、セールスフォースとの連携といった必要性が出てきますが、ここがまだ課題ですね。きちんと既存クライアントの管理をおこなってアプローチをかけることで、インサイドセールスがさらに動きやすくなる状況を作り、一方で、アノニマスリードを実名化してインサイドセールスに流し、売上を最大化していく。この流量を多くするということを既存と新規の両方でやっていきたいと考えています。このような思想をベースに、コンテンツマーケティングなどを進めている状況ですね。

──ということは、現在はセールスフォースなどのCRMは利用せず、すべてSATORIの中で施策を打たれているということでしょうか?

森谷氏:はい、そうなります。セールスフォースを使って業績管理はおこなっていますが、各人のクライアントの状況管理までは使えておらず、今後は、この部分を整備していきたいと思っています。

ツールを活用し、インサイドセールスの強化に着手

──インサイドセールスについて、現在の状況を教えてください。

森谷氏:さらなる体制の整備が必要だと感じています。メンバーはまだまだ少なく、他の業務とインサイドセールスの兼務でおこなっているため、1日の中で対応できる件数はあまり多くありません。今後は人数の拡充を図ったり、外部に委託しながらより大きな組織にしていきたいと思っています。そういった意味で現状は、いかに効率良くアタックするか、かつそのアタックの成功率を上げて成果を出し、体制を強化していくステップにいると思っています。

──そのあたり、具体的に何かツールの使用などは考えていらっしゃいますか?

森谷氏:ナーチャリングしたリードに対する、次のステップのアプローチ方法としてTV会議のようなリモートでの商談ツールの使用を検討しています。現在いくつか試してみているのですが、早速成果を上げることができました。担当者いわく「従来は電話でアポイントを取って、資料を作り、往訪して、商談後に一度自社に持ち帰り…としていたところが、たった9分で終わってしまった。これはすごい!」と言っていました。ビギナーズラックだったかもしれませんが(笑)、その効率性の良さには驚かされました。さまざまなツールをトライアルで使ってみて、当社に本当に合ったものを検討しているところです。

──人材の採用に関してはどのような計画がありますか?

森谷氏:先ほど申し上げた通り、まずは成果を上げていき、その上で体制を強化していきたいと考えています。成果が上がれば社内でもその重要性を理解してもらうことができ、体制強化のための予算も増えると思いますので。重要だと感じているのはマーケティングとインサイドセールスの体制強化です。戦略を担うマーケティングをきちんと整備し、そこを実行部隊であるインサイドセールスで巻き取っていくという体制を強化していきたいですね。

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──今回はご協力いただき、ありがとうございました!


Shufoo!について
「Shufoo!」は、凸版印刷が2001年8月より運営を開始し、20~40代女性を中心に利用されている国内最大の電子チラシサービス。2019年4月1日、株式会社ONE COMPATH(旧社名:株式会社マピオン)へ事業承継されました。大手流通各社、地域主力スーパーなど約4,200法人、約110,000店舗が参加。PV数は月間4億PV、UU数は月間1,100万(2019年6月現在)です。チラシの閲覧回数や閲覧部分のデータを収集・分析するマーケティング機能も備えています。生活者はスマートフォンやタブレット端末など様々なデバイスから日本全国のお買い物情報を閲覧できます。お役立ち情報が満載のShufoo!法人様向けサイトも好評です!
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聞き手:株式会社24-7 COO 草皆 直人(くさかい なおと)
執筆:佐藤 昭平(さとう しょうへい)