robotpaymentマーケティング部部長 塚越裕太氏(左)とマーケティング部 青山真也氏(右)

MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入が増えていますが、すでに導入している企業はどのように活用しているのでしょうか。
このシリーズでは、すでにMAツールを活用している企業のご担当者に導入の理由や運用方法、成果などについてお話をうかがっています。

今回は、「お金をつなぐクラウドで世の中を笑顔に」をVisionに掲げ、クラウド型請求管理サービス「請求管理ロボ」や、決済代行サービス「サブスクリプションペイメント」などを展開する株式会社ROBOT PAYMENTで、CRMやMAツールを使ったマーケティングを担当しているマーケティング部部長の塚越裕太氏と青山真也氏に、同社のツール活用を活用したマーケティングについてお話をお聞きする機会を得ましたので、早速お届けしたいと思います。

株式会社ROBOT PAYMENTと展開しているサービスについて

──はじめに、株式会社ROBOT PAYMENTの概要について教えてください。

塚越氏::われわれ株式会社ROBOT PAYMENTの設立は2000年になります。事業内容としては2つの大きな事業があり、ひとつは2000年からおこなっているペイメント事業です。決済代行の領域で、クレジットカードなどをオンライン上で決済できる仕組みを提供しています。そして、もうひとつはファイナンシャルクラウド事業で、「請求管理ロボ」という請求業務の自動化をおこなうSaaSのプロダクトを2014年から展開しています。創業当時よりお金に関わる集金のお手伝いをずっとおこなっており、それをBtoB展開してSaaSモデルとして生まれたのが「請求管理ロボ」になります。

──会社の従業員数を教えてください

塚越氏:現在、約50名になります。そのうち約1/3がエンジニアでして、営業が約10名、マーケティングが私と青山の2名で担当しています。

──営業の方々はフィールドセールスになるのでしょうか?

塚越氏:事業が大きく2つに分かれているのでややこしいのですが、ペイメント事業に関してはほぼ全員インサイドセールスで、ここでクロージングまでおこなってしまいます。一方、ファイナンシャルクラウド事業はインサイドセールスが3名、フィールドセールスが3名になります。

──インサイドセールスはいつ頃から始められたのでしょうか?

塚越氏:インサイドセールスに関しては、実はこれまでかなりの苦難がありまして、やってはダメ、やってはダメの繰り返しでした。今、やっと本格的に動き出したところです。

──その苦難のあたりをぜひお聞かせいただけますでしょうか?

塚越氏:当社のインサイドセールスは営業から分かれて立ち上げた組織になりますが、当時はミッションが明確になっていませんでした。例えば、簡単に契約が取れるものは自分たちで取ってしまい、時間がかかりそうなものだけフィールドセールス(営業)に投げてしまっていたというかんじです。しかし、こうなるとインサイドセールスの目標が「商談化」ということ以外に「契約」の部分まで出てきてしまいます。ここの境界線が曖昧になってしまった結果、このチームが何を目指してやっているのかが分からなくなってしまいました。結局、やっていることが営業と変わりなくなってしまい、部署を営業に戻して統合することになってしまいました。残念ながら、その当時は社内でインサイドセールスへの理解がまだまだなかったのです。

セールスフォースとMAツールをマーケティング部主導で活用へ

──そのような背景がある中で、社内でセールスフォースやMAツールを活用し始めたのはいつ頃ですか?

塚越氏:セールスフォースを導入したのは2012年です。この時は営業主導で導入しましたので、設定なども営業がおこないまして、問い合わせがあるたびに、その内容をどんどんセールスフォースに入力していくようになりました。その当時はCRMの活用というよりも、連絡帳のような使い方で、情報を入れる箱のような感じでしたね。そのため、データをうまく使いこなせていないことが課題となり、MAツールを導入していく流れとなりました。

──セールスフォースを導入されていますから、やはりMAはPardotですか?

塚越氏:はい、そこはもう一択でしたね。やはりデータ連携がスムーズですし、他の候補は考えませんでした。Pardotを導入したのは2015年の8月です。そして、このタイミングでセールスフォースのメイン担当を営業からマーケティング部に変更しました。

営業はどちらかというと、ひとつの商談に関してフォーカスしていきますが、われわれマーケティングは1対nを常に考えていますので、マーケティング部がメイン担当となることで、Pardotの設定はもちろん、セールスフォースの設定もわれわれが考える理想のものに変えていくようになりました。マーケティング部としては、これまでマーケティングのデータをスプレッドシートなどに入れて管理していたのですが、この段階ですべて止めて、MAツールから流れてくるデータをセールスフォースのレポートやダッシュボードで見える化できるように設計し直しました。

そうすることで、入力作業なしで自動レポーティングされる仕組みができあがりまして、これは今でも使っています。このレポートを見れば、リアルタイムに現在どのくらいの問い合わせが来ていて、着地はどのくらいになりそうなのか、すべて分かるようになっています。…と、ここまで話しておいて何なのですが、実はSATORIも導入しています(笑)

robotpayment1マーケティング部部長 塚越裕太氏

──ええ、そうなのですね(笑)。PardotとSATORIはどのように使い分けているのでしょうか?

塚越氏:SATORIは2017年の1月に導入したのですが、この2つは明確にツールとしての強みが違います。SATORIはunknownマーケティングに強みがありますので、unknownはSATORIで管理し、フォームを通ってメールアドレスを獲得したリードは、セールスフォースと親和性の高いPardotで管理する、というように使い分けています。当社は製品サイトやオウンドメディアの流入数は非常に多い状況です。

そういった中で、例えばSEOで対策しても、意図したページにユーザーをランティングさせることは難しいですよね。本当はサービスページに行かせたいのに、「〜〜とは」といったコンテンツに流入されてサービスページへの誘導が難しかったりします。そういったところの導線の補完をSATORIでおこなっています。また、一度われわれのサービスページに来て、その後離れてしまったユーザーも、ブラウザ上にポップアップが出てくるSATORIのプッシュ通知機能を使って再流入を図るなどしています。unknownに関してはSATORI、実名化されたものはPardotというのが使い分けになりますね。

──ちなみにPardotを導入して、メイン担当を営業からマーケティング部に移行した際に、設定はご自分でおこなわれたのでしょうか?

塚越氏:Pardotの導入とセールスフォースとの連携に関してはPardotの導入支援の会社様にお願いしました。しかし、われわれが最もやりたかったレポーティングの自動化については、私がセールスフォースとPardotでできることを勉強しながら独自に設定をしていきました。当時は、マーケティング部の人数が少ない中で、毎日スプレッドシートに結果を転機しながらレポーティングをしていました。

本来、レポーティングそのものが仕事であってはいけないのですが、商品がたくさんあり、そこにかなり多くの時間を割かれていて非常に無駄を感じていました。そこでセールスフォース上でこれ以上のレポーティングができるような設計を施しました。具体的には、リードが最初どこをタッチポイントにしていつ流入してきたかが分かるようになっており、それを目標の数字と比較してその達成率がどうなのか、そして着地の数字がどのくらいになりそうなのかをリアルタイムでレポーティングできるようにしました。

レポーティングに時間を割かなくてよくなった分、MAツールを操作する時間が多くなりましたが、これは売上を上げていく上で必要なタスクだと思いますので、従来のようなレポーティングの作業と比べると、その生産性は非常に高くなったと言えると思います。

──レポーティングの設計をおこなった際に、注意したことはありましたか?

塚越氏:マーケティングはリード獲得で終わってしまうケースが多いですが、そうならないように気をつけました。実際、多くのキャンペーンをPardotを使って回しているのですが、具体的に「この施策でいくら売上たのか」といったところまで細かく見ることができるようにしています。

ツールを活用し、ユニークな手法で効率的な集客をおこなう

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──集客はどのようにおこなっているのでしょうか?

塚越氏:主にオーガニック検索流入と広告になります。月に数百件という問い合わせをもらいますが、かなり検討段階として温まっているクライアントが多いと思います。特に決済事業に関しては、問い合わせの段階で「すぐに導入したい」という方がほとんどですので、すぐに見積もりに入っていく形になります。ですので、フィールドセールスで営業するのではなく、来た問い合わせに関してはベルフェイスを使って対応し、すぐに審査に入り、問題なければお見積もりを出して、契約という流れになるのがほとんどです。

──御社はオウンドメディアも展開されていますよね。

塚越氏:はい、「Finance & Robotics」という経理向けのオウンドメディアを展開しているのですが、ここが月間で数十万PVありまして、本来そのPVをサービスページに移動させたいのですが、当然ほとんどはそこから離脱してしまうわけです。そこでSATORIのポップアップ機能を使って、このページを見た人には次のサービスページに遷移してもらえそうなバナーを出して、サービスページに誘導するような仕掛けをおこなっています。

他では、定期的にセミナーも開催していますので、セミナーのページに誘導するようなこともSATORIを使っておこなっています。こういった施策は時と場合によって異なってきますが、いちいちHTMLをイジっておこなうのではなく、こういったポップアップ機能を使うことですぐに施策を切り替えることができるのも、MAツールを使うメリットではないでしょうか。そういった意味では、当社のSATORIの使い方はMAツールというより、Web接客に近いかもしれませんね(笑)。

青山氏:このあたりはチャットかポップアップ系かで分かれますよね。ただ、toC向けのならばいろいろありますが、toB向けですと、このようなツールはなかなかありませんね。

──インサイドセールスの方々は、マーケティングの方で収集したデータを見ながら、クロージングを目指しているということでしょうか?

塚越氏:はい、そうですね。そのあたりもできるだけ効率良くできるように、セールスフォースやMAツールのクセの強い機能を使っています(笑)。

青山氏:変わった使い方ばかりしているかもしれないですね(笑)。

塚越氏:例えばPardotのある機能と、ある企業データベースを持っている会社のサービスをカスタマイズして組み合わせることで、問い合わせフォームの社名入力の際に表記ブレがないように、入れた瞬間に社名候補を表示させたりしています。これによりEFOのように表記ブレをなくしている裏で、その企業の属性情報や資本金といったデータを取得してセールスフォースにデータが入るように設計しています。そして、このデータをインサイドセールスにパスできるようになっています。

青山氏:企業属性が付くと、マーケティング部としても分析がしやすくなるのが大きなメリットです。例えば当社が契約している企業の属性は何割がどのような属性で、売上規模はどのくらいで…といったデータがセールスフォースから逆算で引っ張ってくることができるようになるのは非常に便利です。

──これまで、しっかりとしたデータが取れていないばかりに、マーケティングの成果をどのように示すか悩んでいる企業が多いのですが、その点、御社はどのように成果を見える化しているのでしょうか?

塚越氏:当社ではMAツールを導入しているので、商談や売上がどこを起点にして来たものか分かるようになっています。例えば、SEO由来なのか広告由来なのか、外部のメディア由来なのかといった感じで、どれがキーなのか分かるようになっています。そういった意味でスタートとゴールがハッキリとしていますので、マーケティングの成果が明確になっていると思います。例えば、当社ではWeb経由でいくら売上が立って、それ以外でいくら売上が立ったのかを明確に社内に報告しています。こういったことができるのもMAツールを導入するメリットと言えるでしょう。

CRMやMAツールと連携させるべきサービスとは?

──少し話が変わりますが、CRMやMAツールに連携させると便利なツールをご存知だったら紹介いただけないでしょうか?

青山氏:当社でいうなら「YouCanBook.me」でしょうか。これは商談予約システムといったものなのですが、決済事業の方はほとんどオンラインで完結してしまいますが、営業とのスケジュール調整は意外と手間がかかります。そこで、この「YouCanBook.me」を使って営業が話せる時間をお客様に押さえてもらうような仕組みを導入しています。これによって、インサイドセールスは「お打ち合わせはいつにしますか?」といったやり取りがなくなり、非常に効率化を図ることができます。

robotpayment3マーケティング部 青山真也氏

塚越氏:当社が導入しているベルフェイスですと、まず一度お客様にお電話して「いつ(ベルフェイスを使って)お打ち合わせができますか?」というコミュニケーションを取らなくてはいけません。しかし、われわれはこれさえも無駄に感じていました。しかし、この「YouCanBook.me」を使えば、お客様の方から空いている時間を選んでもらうことができますので、とても効率良くスケジュールを組むことができます。オンラインで完結するものならば、このサービスは結構ハマると思います。

■CRMやMAツールの運用管理者が常に会社の中心的存在となる時代へ

──今後、マーケティング部も採用をおこなって大きくしていかれると思うのですが、どういった方と一緒に働きたいと考えていらっしゃいますか?

塚越氏:これは個人的な考え方ですが、マーケティングのプロはいらないかな…と思っています。どちらかというと、Webデザイン出身でこれからマーケティングをやりたい、といったような一芸のある方がいると、われわれのように人数の少ない部署ではすごく助かります。私は元々デザイナーですし、青山もイラストレーターもフォトショップも使いこなすことができるので、施策をおこなう時に、自分たちでバナーを作って広告設定をして、配信から結果分析までをすぐにおこなうことができます。思い立ったらすぐにできる、これは大きな強みだと思っているのですが、そういう働き方に貢献してもらえる方がいればぜひ一緒に仕事をしたいですね。マーケティングは入ってからこの部署で学べば十分だと思います(笑)。

──最後に、これからCRMやMAツールを導入しようとしているマーケティングの部署の方々に向けてメッセージをいただけないでしょうか?

塚越氏:私は、CRMやMAツールを導入することで、売上を上げていくのはもちろんですが、その人のキャリアがすごく明るくなると思っています。例えば、セールスフォースは営業を管理しますし、MAは売上を管理することができます。それらを設計や管理する人は、さまざまな定義付けをしたり、組織を連携させる必要があって、話の中心になることが多くなります。そういう意味では、セールスフォースの管理者やMAツールの管理者は、施策やプロセスの中心ということになりますので、その会社でのキャリアというものを考えた時に、CRMやMAツールを握るということは非常に大切なことだと思います。社内で困ったらすべての相談が来ますので、会社の中心的存在になることが多くあります。そういった面もCRMやMAツールの魅力だと思います。

──本日は貴重なお話をありがとうございました。

株式会社ROBOT PAYMENTについて
株式会社ROBOT PAYMENTは、インターネット決済サービス「サブスクリプションペイメント」と、サブスクリプション事業者向けに請求業務を自動化させるクラウドサービス「請求管理ロボ」を提供している会社です。請求書の送付先、請求内容を入力するだけで、完全自動で請求書の発行、送付、集金、入金消込、未収金催促まで一元管理できます。大手企業から中小中堅企業まで、約500以上のアカウント導入実績と、年間約700億の請求金額に利用されています。

代表取締役 :清久 健也(きよく けんや)
事業内容:「サブスクリプションペイメント」「請求管理ロボ」の提供
会社概要:https://www.robotpayment.co.jp/
サブスクリプションペイメント:https://www.robotpayment.co.jp/technology/
請求管理ロボ:https://www.robotpayment.co.jp/service/mikata/

聞き手:株式会社24-7 COO 草皆 直人(くさかい なおと)
執筆:佐藤 昭平(さとう しょうへい)