tokubai-top-A株式会社トクバイ コンテンツ・パートナー開発本部 事業推進部部長 武仲理美氏(右)、副部長 塩谷洋則氏(中左)、活用支援部 永井和子氏(中右)、事業推進部 事業推進グループ 門椋子氏(左)

MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入する企業が増えていますが、導入を躊躇している、またはうまく活用できていない企業も少なくないのではないでしょうか。

このシリーズでは、既にMAツールを活用している企業のご担当者に導入の経緯や運用方法、成果などについてお話を伺い、これから活用される企業の一助となるような情報をお届けしていきます。

今回登場いただくのは、全国47都道府県のスーパーやドラッグストアのチラシをはじめ買い物情報を無料で見ることができるサービス「トクバイ」を運営している株式会社トクバイの皆さんです。コンテンツ・パートナー開発本部 事業推進部部長の武仲理美氏、副部長の塩谷洋則氏、永井和子氏、門椋子氏に登場していただきます。既存顧客のフォローアップを目的にMAの活用を開始し、今後はインサイドセールスの拡充とリード獲得にも注力していくと語る4名。MAツールを導入した経緯と現在の状況、そして今後の予定まで、じっくりとお話を聞いてきました。

サービスの急成長とともに、新たなセールスの取り組みを開始

──会社の概要とサービスについて教えてください

塩谷氏:株式会社トクバイは、2013年にクックパッドの新規事業部としてサービスをスタートした会社です。2016年にクックパッドから独立した後、これまで順調にサービスを拡大してきました。

弊社が提供する「トクバイ」というサービスは、BtoBtoCモデルのサービスです。

スーパーマーケットやドラッグストアなど小売店の方々に「トクバイ」上でそれぞれのお店の販売情報を投稿していただいています。小売店の方々に投稿していただいたチラシやクーポン、タイムセールといったお得な買い物情報は、ユーザー(生活者)の皆さんにアプリやウェブを通じて無料でお届けしています。ユーザーの皆さんの買い物をもっとかしこく楽しくすることを目指しているサービスです。

2019年5月末現在、情報掲載数は大手の小売店を中心に約5万店になりました。これは、スーパーマーケット業界では約60%、ホームセンター業界では約70%、ドラッグストア業界においては50%の企業に弊社のサービスを活用いただいている状況です。ご利用いただいているユーザー数も順調に伸びており、月間UU800万人の規模まで成長しました。

tokubai-service

──会社設立から現在まで、社員数はどのくらい増えていますか。

武仲氏:社員数は約3倍に増えました。独立したタイミングでは30名ほどでしたが、現在はパート社員含め約90名が在籍しています。

私たち事業推進部はMAやCRMツールを活用して全国の小売店様向けの営業活動促進および弊社サービスの活用サポートを担っており、MAに関しては塩谷と永井の2名、CRMに関しては私と門がメインで、データ整備を手伝ってくれているパートスタッフが1名という体制です。

──インサイドセールスに従事しているスタッフはどのくらいいらっしゃいますか?

武仲氏:現在は、まだ2名です。塩谷がMA業務と兼務で、今まさに現在進行形でチームを立ち上げているところです。これまでは営業視点でマーケットシェアをどう獲得していくかを重要視し、ある程度の店舗数を抱えるチェーンを中心に活動を行なってきました。しかし、ユーザー視点で考えると、チェーン店舗だけでなく、地域の個店のチラシや情報が掲載されていることも重要です。とはいえ、効率的に「トクバイ」というサービスを地域の小売店様に知っていただくためには従来の営業担当者が出向くやり方では対応できず、インサイドセールスによる非対面での営業活動を検討、トライし始めました。

MAとCRMを同時に導入し、既存顧客のフォローアップ体制を構築

tokubai-takenakashi-fix株式会社トクバイ コンテンツ・パートナー開発本部 事業推進部 部長 武仲理美氏

──そういった中で、MAやCRMツールを導入されたきっかけを教えてください。

武仲氏:通常、MAはリード獲得がメインの目的で使われると思いますが、弊社では既存クライアントに対するサービス活用のフォローを非対面で効率的に行うことを目的に導入しました。最近では弊社と同じような目的で導入される企業も増えてきたようですが、当時としては珍しい使い方だったと思います。

今、塩谷が立ち上げているチームでは、今後リードの獲得を目的とした活用も考えていますが、現状は既存クライアントの「トクバイ」の活用フォローを効率的に行うために使っています。

──導入されたのはいつ頃になりますか?

武仲氏:2018年4月です。MAとCRMの両方を同時に導入しました。

実は前年の2017年から、本来はMAを使うと良さそうなことを人力でやっていました。具体的には活用の提案をしたいクライアントユーザーのカテゴリを設定するところから、メールの文面の作成、送信リストのフラグ管理などを行い、メール一括送信システムから配信をしていました。また、kintoneをCRMとして利用し、クライアント管理を行なっていました。人力でトライアンドエラーを繰り返す期間がある程度あったことで、ツールを利用するポイントが明確になり、ツールの活用方法もしっかりとイメージができあがりました。結果、MAはMarketo、CRMはSalesforceという2つのツールを導入することに決め、2018年1月から準備、4月から運用をスタートしました。

──導入はスムーズに進みましたか。

武仲氏:弊社で保有するデータの構造が複雑だったこともあり、MarketoとSalesforce、両社には非常にご苦労をおかけしました。ゼロベースから導入するよりも、いろいろな制約や条件があり、むしろ対応は難しかったようです。特に大変だったのは、MarketoとSalesforceの連携でした。やりたいことを実現しようとした時にうまく連携できない部分が多くあり、両社をかなりに悩ませてしまいました。連携ができないと弊社としては導入する意味がないため、難しいお願いを必死に訴えて、4月に運用を開始することができました。

──競合サービスがいくつかある中で、MarketoとSalesforceを導入された理由を教えてください。

武仲氏:MAについては、検討時、PardotとMarketoの2つが候補に挙がっていました。費用面と機能面の双方から検討を重ねていきましたが、当時はまだやりたい施策がしっかりと定めきれていなかったため、条件分岐などが柔軟にできること、社内のエンジニアの手を煩わせなくても条件設定などができることから、Marketoの導入を決定しました。

Salesforceについては、当初、Marketoを導入した後に導入を考えていました。しかし、Marketoを導入するにあたって、それと連携させる「箱(CRM)」の存在が必要になり、同じタイミングでの導入に踏み切りました。kintoneをそのまま使うことも考えたのですが、それではMarketoで取得する行動ログを生かすことができないため、Salesforceを導入することになりました。

ール導入で工数削減に成功、「考える時間」を捻出できるようになった

tokubai-takenaka(左)同社武仲氏、(右)聞き手・株式会社24-7 COO 草皆直人

──現在、Marketoをどのように活用されていますか?

武仲氏:弊社のサービスはSaaSモデルですので、既存クライアントに解約されないことが非常に重要です。つまり、クライアントにサービスを使い続けていただくことが大きなポイントになります。例えばクライアントのチラシ投稿が少なくなっていくと、ユーザーにとっての「トクバイ」の価値は低下します。ユーザーに使われなくなるとクライアントにとっての「トクバイ」の価値が下がり、解約リスクが高まるという悪循環に陥ってしまいます。そうならないよう、最適なタイミングでアラートが上がるよう設定し、アラートに応じてクライアントを徹底的にフォローアップすることが非常に大切です。現在、クライアントの行動からフォローアップの最適且つ必要タイミングを見るためにMarketoを活用しています。

例えば、「トクバイ」のある特定の機能について、これまで全く使っていなかったクライアントが急に使い始めたら、「より深くトクバイを活用したいと考えている」、「効果検証をしている」可能性が考えられます。そのまま放置してしまうと、クライアントがその機能の効果的な利用方法や正しい指標の見方を知らないまま、出てきた結果だけを見て「トクバイの機能は効果がない」と判断してしまうかもしれません。そのため、「クライアントが特定の機能を使い始めた」タイミングでアラートが上がるよう設定し、アラートによって営業担当がタイミングよくクライアントをフォローアップする、といった使い方をしています。

──MarketoとSalesforceの連携について教えてください。

武仲氏:まず前提として、弊社では「特定の機能使い始めた」といったクライアントの行動ログを自社で開発した管理システムに蓄積しています。蓄積したログをSalesforceに入れ、それをトリガーにしてMarketoがタイムスタンプや施策を打つような流れになっています。双方は5分ごとに同期していて、Marketoに設定した施策の条件に基づき、例えばクライアントへメールで連絡する、等のアクションを取っています。

さらに、カスタマーサクセスチームや営業チームへもアラートが届くようになっていて、必要に応じそれらのチームがクライアントを支援することもできるようになっています。そういった意味では、Salesforceがすべてのハブになっています。

──MarketoとSalesforceを導入された率直な感想を教えてください。

武仲氏:今まではクライアント、また営業の行動を可視化するために、一度データを抽出してグラフにしたり、アプリケーションを連携させなければなりませんでしたが、その可視化がSalesforceを導入したことによりとても容易になりました。

ただ一方で、システム管理者をはじめ一部のメンバーがどんなにツールを使えても、営業やカスタマーサクセスチーム、そしてそのマネージャーも含め、ツールを取り巻くメンバー全員が使いこなせるようにならないと、本当の意味でツールの効果は出ないと考えています。この1年で「使う」ことはできるようになりましたが、「有効活用」という点ではまだまだです。もっと営業活動を促進できるようなツールの活用方法を再検討していきたいと思っています。

MAについては、先にお話したように人力で対応していたところから、条件指定をすればスマートリストでデータを抽出できるようになったことで工数の削減ができ、施策を考えることに時間を費やすことができるようになりました。Marketoは機能としてできることが非常に多いので、「何がしたいか」をしっかりと決められていないと、せっかく導入してももったいないことになると思っています。まだまだMarketoを使ってやれることはあると思っています。2019年はリードの創出に使っていくことを考えていますが、宝の持ち腐れにならないよう使い倒したいです。

塩谷氏:ツールを活用して、オンラインとオフライン、双方から攻めていきたいと思っています。

弊社における現在の一番のリード獲得チャネルは、資料請求ページです。資料請求ページから資料請求やお問い合わせをいただいた場合のクロージング率はかなり高い数字です。そのため、まずは資料請求の数を増やすための施策を色々検討しています。

まず、オンライン施策として、整備が不十分な資料請求ページを改善したいと思っています。事例などのコンテンツも充分に掲載できていないため、Marketoのランディングページを作成する機能を使って、ページ改善を急務で進めていこうと思っています。SEOやFacebook広告といったSNSを活用して、作成したランディングページへ集客することも検討しています。

一方、オフライン施策として、展示会への出展、またFAXやダイレクトメールなどのオールドメディアを使って何ができるかも、検討し始めているところです。

インサイドセールスチームの規模を拡大し、さらなる成果につなげていきたい

tokubai-shioya-fix株式会社トクバイ コンテンツ・パートナー開発本部 事業推進部 副部長 塩谷洋則氏

──インサイドセールスについて教えていただけますか。

塩谷氏:弊社では、企業の規模で営業担当を決めています。規模が30店舗未満の企業はインサイドセールスで担当し、それ以上はフィールドセールスが担当しています。30店舗未満の企業については、サービスのご案内からクロージングまで、一気通貫でインサイドセールスで対応をしています。全社の営業活動をより効率化するために、今後は30店舗未満の企業に対してだけでなく、30店舗以上の企業についても、フィールドセールスへのトスアップを前提にアプローチを考えていきたいと思っています。

また、インサイドセールスでは、具体的なアクションにおいてスピード感を重視しています。例えば、資料請求があってからコンタクトまでのスピードや提案書の送付、お客様からの質問へのレスポンスなどの商談内のコミュニケーションスピードはかなり意識しています。残念ながら、以前は資料請求に対するスムーズな対応や提案の仕組みが整備できていませんでした。フィールドセールスはすでに商談中のクライアントへの対応で手が回らないことが多く、どうしても新規のリードへのアプローチが後手に回ってしまいがちでした。門はそのような状況に課題感を感じ、インサイドセールスチームを立ち上げる時に、この課題をインサイドセールスで解決しようと対応フローを考えてくれました。現在は、資料請求があってから24時間以内に資料を送付、さらに電話でフォローアップ、場合によっては当日にクロージングすることができるようにまでなっています。これは、インサイドセールスとフィールドセールスとの役割分担を明確にしたことで成果の出た好事例だと思います。

──今後、インサイドセールスの規模が拡大していくと、どうしても人の採用が必要になってくると思いますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

武仲氏:採用についてはとても前向きに考えています。今年はインサイドセールスチームの規模を大きくする予定で、ちょうど採用活動を強化しているところです。スキルがあるだけでなく、コミュニケーションスタイルやキャラクターが弊社や私たち我々の部署に合うかどうかも重視しています。

──カルチャーフィットを大事にされてるんですね。貴社のように採用条件に挙げられる会社が増えているようです。

塩谷氏:はい、とても重視しています。今後、業務上、ますます他部署との連携が必要になってくると思うので、他部署ともコミュニケーション能力高くやりとりできるような方にぜひ来ていただきたいです。また、コールドリードへの対応も拡大していきたいので、少々のことではへこたれないメンタルの強い方、そして数字へのコミット力がある方ならば更に歓迎です(笑)。

──今回はご協力いただき、ありがとうございました!

株式会社トクバイからのお知らせ
トクバイは、インサイドセールスのメンバーを募集しております。
インサイドセールスグループは、SaaS型販促プラットフォーム「トクバイ」の提案を、小規模企業を中心に、BtoBマーケティングからクロージングまで一気通貫に担う部門です。提案先企業は、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター、家電量販店から飲食店など様々な業態にまで拡大しています。
ターゲットに応じた適切な施策を自身で設計・実施・検証することができます。また、いわゆるテレアポや営業管理業務ではなく、自分自身でクロージングまで担うことができるのが、トクバイにおけるインサイドセールスの特徴です。もちろん、マーケティングやフィールドセールス部門との部門連携、営業戦略の策定など、一つの部門に閉じない、大きな視点で業務を進めることが可能です。

ユーザー数、サービス加盟企業数が大きく増えている成長期、かつインサイドセールス部門を立ち上げたばかりのため、初期メンバーとして自身で裁量を持ってインサイドセールス部門を牽引・拡大できるチャレンジングな環境です。

ご興味を持ってくださった方は、こちらの詳細をご覧ください。
https://www.wantedly.com/projects/315574


聞き手:株式会社24-7 COO 草皆 直人(くさかい なおと)
執筆:佐藤 昭平(さとう しょうへい)