rakus interview

株式会社ラクスがインバウンドマーケティングを実施する上で、2013年に立ち上げたオウンドメディア「メールマーケティングラボ(通称メルラボ)」。立ち上げ当初から現在に至るまで、中心人物として携わってきた編集長・芹澤はずき氏にインタビューを行いました。前編では主に立ち上げの背景から成果を出すまでのコンテンツ制作のコツを、後編(本編)では、成果を出すための編集長としての求心力を探りました。


成功のコツ1|成果を出したいならPDCAを怠らない

──オウンドメディアを運用する上で、最も重要なことは何だと思いますか?

成果を出すために大切なことは、やはり分析ですね。どういう記事が求められているのか、仮説を立てて、やってみて、検証するという基本の部分です。そこができていないと成果は出し続けられませんし、方向性もずれてきてしまうので。初めにペルソナに沿ってコンテンツ戦略をたてる、という手順は踏んでいますが、あくまで仮説であり、実際にどうだったのか?をきちんと見る必要があります。

外部のライターさんに記事を執筆してもらっている場合には、単に企画を出して記事を書いてもらうだけでなく、その記事の成果、トラフィックやSQL獲得数まできちんとお伝えしています。

現在は社内で書くのは月2本、残りは外部パートナーに依頼しているので、そのような関わり方をすることでライターさんのモチベーションにもつながりますし、全体でPDCAを回せるようになります。1記事など単発で依頼をするのではなく、半年間など長いスパンでパートナー契約を結んだ方が、記事の出し分けもできるのでお互い動きやすいですね。

──コンテンツ制作のヒットの法則みたいなものは見えましたか?

システム紹介、調査データなどは、すごくトラフィックが出やすいです。無料システムを幾つか紹介するとか、画像が使える無料サイトとか。すぐに使える実用的な内容ですね。あと、やはり皆さん数字データは好きなんだなという実感はあります。最近セミナーで話す機会が多いのですが、事例をお話しする際に、実際の数字があるものとないものだと反応が全然違うんですよ。アンケートに「数字のデータが欲しかった」と書いて頂いたりして、すみません…と(笑)。

あと面白いのは、ユーザーの動きが手に取るように分かるのです。社員が結構前に書いてくれたHTMLメールに関する記事があるのですが、その記事を定期的に読みに来る人がいたりとか。この人またこれ読んでる…って(笑)。Google Analyticsでは記事PVなどを見れますが、HubSpotだと人ベースでそのような部分が見えてくるところが面白いですね。

 

成功のコツ2|基本は、常にペルソナに立ち返ること

──具体的な数字を入れるほか、実用的な記事を作る上で気をつけていることはありますか。

ペルソナに立ち返ることはよくやっていますね。ペルソナとして設定している人が、読んだ時に「この言語じゃない」というのがたまにあるんですよ。例えば、メールのことを「メルマガ」と呼ぶのか、「フォローメール」と呼ぶかはその人の置かれている立場、職種によって異なるので、そこに合わせた言葉にしてあげるとか。

あるいは記事の骨子を立てた時に、これはペルソナが知りたいことなのかなと考えて、小見出しをこうした方がいいんじゃないか、とか。これらは一例ですが、相手にあった言葉を使うなど、ペルソナは常にすごく意識してます。

▼ペルソナ例:氏名、年齢、居住地など基本的なデモグラフィックから、商品・サービスとの接点など購入までのストーリーを想定

Interview_after_persona

──仮説で立てたペルソナにズレが発生したとき、ペルソナを変えることはありますか?

ペルソナを大変革するということはこれまでにないのですが、実は今ちょうど新しいペルソナを作っているところです。メルラボではたまたま私たちが作ったペルソナがオーガニック検索というところに引っかかってくれましたけど、ペルソナによっては、例えば紙媒体の方がいいっていう判断もできると思うんですよね。その場合はやはり、最適なものにしないといけない。それはペルソナを作ってみないとわからないことなので。すごく重要だと思っていますね。

成功のコツ3|継続するための情熱をいかに保つか

──これまでの話の中で、PDCAを回すサイクルを作ることが最重要ということでしょうか。

そうですね。ただ、成果を出すにはそれを継続しなくてはいけないので。継続するためにはやはり、少しクサくなってしまうのですが「熱」ですかね。情熱というか。

──それはどこから来ているのですか?仕事だからという責任感でしょうか?

おそらく、喜んでくれる人が多いからです。メルラボにかかわらず、個人的に仕事のモチベーションの根っこには人が喜んでくれることがあるので。メルラボがあることで営業活動に役立ったとか、営業さんが客先で話したら感謝されたとか。やはりそういうのを聞くと、続けなくちゃと思いますね。

安藤氏:芹澤は社内の人と密にコミュニケーションをとって、その人たちからのフィードバックを重視するというのをすごく熱心にしているなーというのは見ていて感じます。その辺りがモチベーションの源泉になっているんじゃないかな、と思ったりしますね。

 

 

株式会社ラクス クラウド事業本部
マーケティング・クラウド事業部
事業部長 安藤 健作氏

 

 

──メルラボを通して、社内外での人との関わりは増えましたか?

すごく増えましたね。一応私が編集長として出ているので、メルラボをきっかけにセミナーの依頼をされたりですとか、寄稿をお願いされたりですとか。

──継続的にPDCAを回せる体制をしっかり社内に作るには、どのようにすべきでしょうか。

安藤氏:難しいですよね、なかなかそこだけにきちんと専任を当てて体制を作るというのは。当社規模の会社だと、どこも人をあてるところに苦労していると思いますので。今回私たちの場合は、ある程度ちゃんと実績を出してもらっていたので、これを続けることが大事なんですよと上とのコミットもできたのですが。うまく外部パートナーを見つけて、自分たち以外の手を借りるというのも大事かなとは思いますね。

──もし社内で新たな担当者を一人つけるとしたら、どんな人がいいと思いますか?

安藤氏:行動力というのも大事ですが、調整が上手な人ですかね。コンテンツを作るってすごく地道な作業で、その中で芹澤の上手なところは、他の人のフィードバックをちゃんと受けるところなんですよ。外部のパートナーにも、内部の営業にも、何が受けて何が良くなかったかっていうのをちゃんとフィードバックを受けて、そこを面倒くさがらず、繰り返しできることが重要なのかなと思いますね。

 

企業はインバウンドマーケティングに取り組むべきか

──改めて、インバウンドマーケティングはどの会社もやったほうがいいと思いますか?

はい。やったほうがいいと思います!それによって質の悪いコンテンツが増えていくのは嫌なのですが(笑)。
特にうちみたいな、システムベンダーさんは絶対やったほうがいいかと。最近は顧客がシステム以外の情報も求めるようになっています。昔はシステムの説明だけして、要件が合えば入れてくれることもありましたが、今は「どうすればうまくいくのか?」まできちんと営業担当が答えられないと契約はとれません。

何(どのシステム)を選択するかよりも、どう利用するかの方が顧客にとって重要なんです。その時にいかに信頼を取れるかという部分に、オウンドメディアは力を発揮してくれるはずです。

あとは、オウンドメディアには社内の課題も解決できる可能性が大きい。属人化してしまっているノウハウを、記事化していつでも読める状態にしてあげることで、新たに入社した人も立ち上がりが早くなります。そういうメリットはあると思いますね。


芹澤さん、安藤さん、ありがとうございました!

インタビュー前編・後編を通して、成功するオウンドメディアの担当者に必要なスキルは文章作成ノウハウではなく、社内外の情報にアンテナを張りPDCAを回す継続力であることが分かります。顧客から感謝され、結果KPIの達成にもつながっていくマーケティング施策は担当者としても非常にやりがいを感じられるのではないでしょうか。

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