インバウンド アウトバウンド

こんにちは、インターン生の末田です。リオオリンピックも終盤に差し掛かりますがメダル獲得が続き、盛上がりをみせていますね。次回2020年の東京オリンピックもとても楽しみです。

世界都市である「東京」でのオリンピック開催ということで、海外からもたくさんの観光客が訪れることでしょう。それに伴い日本の旅行業界では、海外旅行(アウトバウンド)の割合より、訪日客(インバウンド)の増加が加速しているとか…。日本の旅行業界ではこのように、訪日客に対して「インバウンド」日本から海外旅行へ行くことを「アウトバウンド」という用語で表わすことがあります。しかし、マーケティング用語として使う場合の「インバウンド」や「アウトバウンド」は、意味が違うということを知っていましたか?

インバウンドとアウトバウンドの違い

インバウンド アウトバウンド

一方通行の情報発信:アウトバウンドマーケティング

アウトバウンドマーケティングとは、TVCMやラジオCM、雑誌広告、新聞広告、テレマーケティング、ダイレクトメール、展示会のように、企業から見込み客に対してアプローチを行う販売戦略のことを指します。

Eメールマーケティングを例にすると、短期間で一斉に多くの消費者へ訴求できる反面、消費者に対してEメールアドレスを調べて勝手にメッセージを送りつけることからインタラプション(邪魔)マーケティングと呼ばれることもあります。つまり、消費者には迷惑メールだと捉えられる恐れがあります。

個々に情報を最適化:インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングとは、ブログ、写真、インフォグラフィック、動画などの様々な有益なコンテンツを活用して情報を発信しそれらを見つけてもらう、つまり消費者から企業に対してアクセスし、商品やサービスに興味を持ってもらう販売戦略です。

短期間で一斉に多くの消費者へ訴求することはできませんが、消費者一人ひとりに最適化された、必要されている情報を提供し見つけてもらうことで長期的な顧客が獲得できます。

このように聞くと、インバウンドマーケティングは受け身のマーケティングのように思えて、己を積極的に売り込んでいくアウトバウンドマーケティングの方が効果があるように聞こえます。上記でも、短期間で一斉に多くの消費者に対して訴求行動ができるとも言いました。

しかし果たしてそうでしょうか。本当に見込み客を得るために受け身であるぐらいなら、攻めて攻めて見込み客を獲得したほうがいいのでしょうか。いくつか例を挙げて考えてみましょう。

アウトバウンドマーケティングの例

例1:消費者がテレビCMで興冷め

月9のキュンキュンするような恋愛ドラマを見ています。ドラマもいよいよ佳境に差し掛かりました。主人公の切なくて、キュンキュンする恋愛シーン。お互いが見つめ合っていい雰囲気です。こんなドラマの良いシーンで突如画面は切り替わりました。流れてきたのは、トイレの消臭剤のCMでした…。
正直、一刻も早くCM終わってくれないかなと思いますよね。感情をドラマに入れ込みすぎていて、そのCMの商品自体がすごく悪い印象になるかもしれません。

例2:久しぶりの休日が営業電話で台無しに

久しぶりの仕事休みの日。ここ最近残業が多く身も心も疲れ果てています。優しく包み込んでくれるお布団に身を預け、お寝坊さんしたいですよね…。それなのに朝から電話が「リンリン」と鳴って、重たい体を引きずりながら電話に出ると、新しい保険のプランのご案内の電話だったなんてことはよくありませんか。 正直、イライラしますよね。「結構です」と少し強めに電話を切り、布団に戻ろうとしたらチャイムが「ピンポーン」。出てみると、怪しいドリンクを売りつけられそうになったという経験はありませんか。 他にも新聞に大量に織り込まれるチラシや毎日次から次へと送られてくる電子メールなど…。こういった、アウトバウンドなセールスは正直な話、ほとんどの人が嫌気がさしていていたり、見ていなかったりするのでは無いでしょうか。

実際にアウトバウンドマーケティングは、有効に作用しなくなっているということがデータで明確に出ています。

テレビ インターネット

アウトバウンドマーケティングは消費者にとって迷惑なもの

2013年5月にシンガポールで開かれたContent marketing Conference 2013 に使われたスローガンは、このような内容でした。

Companies bombard us with advertisements every day,but most of the time they are not really worth reading!
企業は広告を爆撃のように毎日投下している。しかし、その多くが読むべき価値のないようなものだ

多少、事を大きく言いすぎている節はありますが、これほどまでに情報量が多い社会の中で、広告の受け手側ではすでに広告は価値のないようなものであるという認識ができてしまっているという可能性を考えておくべきです。

事実、下の図を見てもわかるようにアウトバウンドマーケティングの反応率はインバウンドマーケティングよりも低くなる傾向にあります。

アウトバウンド データ

人間というのは、いろいろな情報が流れているような環境下で、それぞれが自分にとって重要だと認識した情報にだけ注意を示すという認知特性があると言われています。これを心理学の世界では「選択的注意」と呼びます。例えば、ザワザワと騒がしい休み時間の教室で、話なんて全然聞いていないのに、気になるあの子の名前が出た途端その話に耳を傾けている自分がいるなんて事はなかったでしょうか。これは、俗に「カクテルパーティー効果」と言われるものです。

先で挙げたように、いくらこちらから発信しても相手に興味を持ってもらえなければどうにもなりません。アウトバウンドマーケティングでは通用しにくくなってきている苦しい状況を、どうすれば解決していけるのでしょうか。どうすれば消費者を捕まえる事ができるのでしょうか。

答えは簡単。捕まえなければいいのです。

「それでは潰れてしまう」と思うでしょう。何もしなければ確かに潰れるでしょうが、何もしないわけではなく、視点を変えるのです。捕まえられないなら、捕まえてもらえばいいのです。

情報収集

消費者の半数以上が、自分で欲しい情報をWebで検索したり店頭で直接得る傾向があります。

その「捕まえる」のではなく、「捕まえてもらう」為の方法としてあげられるのがインバウンドマーケティングです。インバウンドマーケティングでは、消費者に見つけてもらい、見つけてもらう為に様々なコンテンツを活用し消費者に有益で興味の湧くような情報を提供します。こんな情報を欲しがっている消費者がいるだろうなと仮説を立て、ターゲットとなる理想の顧客に魅力的なコンテンツを提供し、サイトに何度も訪問したくなる仕組みを作るように心がけましょう。

企業が強制的に情報を提供するのではなく、消費者が自ら検索エンジンやソーシャルメディアを通じて情報にアクセスします。例えば、ブログ、SNS、写真、インフォグラフィック、動画、ポッドキャスト、プレゼンテーション、Eブックのようなコンテンツがコミュニケーションの中心となります。

インバウンドマーケティングを行う企業にとってこれらは資産(マーケティングアセット)となります。アウトバウンドなアプローチで広告を打ち出し、その広告の効果を持続させるには、ずっとお金を支払い続けなければなりません。一方、マーケティングアセットは、一度作成したらずっと顧客を引きつけることができます。ブログから獲得した全てのリードの70%が古い記事を閲覧したというデータがあります。これに様々なコンテンツを掛け合わせていく事で、効果は2倍にも3倍にもなるのです。

さらに企業にとっても、興味を持った消費者がサイトの訪問者となるチャンスが増えます。そうすると、見込み客以外の、商品を購入してくれる可能性の低い消費者に対してコストをかける必要がなくなります。マーケティングにかけるコストが減少するということは必然的に費用対効果も上昇し、より意味のあるマーケティング活動を遂行できるようになります。

まとめ

従来のアウトバウンドマーケティングの手法では、顧客リストを買って大量にメールを送付したり、電話番号のリストを買ってきて、片っ端から営業電話をしたり、大量の広告を出稿してきました。その結果、人々はマーケティングをされる事を嫌うようになります。それと同時に、消費者はますます賢くなり、企業のマーケティングをブロックするようになってきました。そんな、市場の変化に伴い生まれたのがインバウンドマーケティングです。

インバウンドマーケティングでは、人々に見つけてもらい、見込み客になってもらいます。見込み客の方から好んで来てもらう姿勢が基本となっています。様々なコンテンツを組み合わせ見つけてもらいやすいようにして、本当に情報を必要としている人に見込み客となってもらえるようなアプローチをしていきましょう。


インバウンドマーケティング